これで当期純利益をマスター!意味・求め方・利益剰余金との関係などをわかりやすく解説

 

今回のテーマは、ニュースでも取り上げられやすいワード「当期純利益」です✨

 

決算発表の時期になると、新聞の企業関連のページにはズラッとこの言葉が並びます(見出しにこの言葉が入るときは、「純利益」と短縮されることが多いですね)。

そんな「当期純利益」について、基本の意味から決算書での本当の読み方まで解説していきます😊

 

当期純利益とは?基本の意味をおさえよう

ニュースで当期純利益の話題が取り上げられるときは、「今期最高益 最終」や「赤字 今期最終」といった見出しを付けられることが多いですね📰

この文言が意味する通り、当期純利益とは、事業活動を通して最終的に残った利益のことを表します。

言いかえると、企業が1年間に得たすべての収益からすべての費用を除いたものが当期純利益なのです。

 

ちなみに、赤字となった場合の最終損益は当期純損失、四半期決算における最終損益は「四半期純利益(四半期純損失)」と呼びます😊

 

スポンサーリンク

 

当期純利益の「求め方」をサクッと理解しよう

損益計算書は、一番上の行に記載される売上高に対し、その下の行以降に書いてある収益や費用を順々に足し引きして利益を計算する構成です✍

その足し引きの過程で、段階ごとに5つの利益売上総利益営業利益経常利益税引前当期純利益・当期純利益)を計算して表示しているんですね。

 

このように上から順々に収益と費用を足し引きしていくため、損益計算書の一番下の行にたどり着くときには1年間のすべての収益から税金も含めたすべての費用が差し引かれていることになります✨

この一番下の行に表示されているのが当期純利益なのです😊

 

【初心者向け^^】損益計算書の簡単な見方をご紹介!利益と会社の活動はひもづいている

2018.08.06

 

 

「親会社株主に帰属する当期純利益」とは何を意味するの?

実は、損益計算書では当期純利益を2つのグループに分けて表示しています💡

その2つとは、「被支配株主に帰属する当期純利益」と「親会社株主に帰属する当期純利益」です✨

 

子会社を持つ企業の場合、親会社の損益に子会社の損益を足し合わせた数字を損益計算書に表します。

しかし、その子会社の株式は他の企業や個人投資家にも保有されている、つまり親会社にとっての100%子会社ではないことも多いのです。

この場合、子会社の損益すべてを「親会社株主に帰属する当期純利益」に含めることはできないのですね😲

 

では、どうしたらいいのでしょうか?

実はこのようなケースでは、親会社が子会社の株式を保有している割合に応じて、子会社の損益の帰属先(「被支配株主に帰属する当期純利益」か「親会社株主に帰属する当期純利益」か)を決めています😊

 

簡単な例で理解しよう

A社がB社の株式を70%保有しているケース(B社はA社の子会社)

B社が稼いだ利益1000万円のうち、A社によるB社株式の保有割合70%に応じた利益は700万円(=1000万円×70%)です✍

この700万円とA社の損益の合計が「親会社株主に帰属する当期純利益」です✨

一方、残りの30%分の300万円は、A社以外のB社の株主に帰属すると考えられます。この分が「被支配株主に帰属する当期純利益」です。

 

スポンサーリンク

 

当期純利益が利益剰余金を増やす!そのワケとは?

実は、当期純利益は、貸借対照表(BS)の数字にも影響してきます!

なぜなら、貸借対照表の純資産の1項目である「利益剰余金」は、当期純利益によって構成されているからです。

 

「利益剰余金」は、企業が今まで稼いだ利益が蓄積されたものです。

言いかえると、「親会社株主に帰属する当期純利益」は毎期「利益剰余金」に足し込まれているのです✨

 

反対に、当期純損失(マイナスの利益)が出てしまうと「利益剰余金」は減ってしまいます😥

当期純損失と債務超過の関係

業績が悪化し当期純損失が続くと、やがて「利益剰余金」がマイナスの金額になります。さらに「利益剰余金」のマイナス幅が広がると、同じ純資産の項目である資本金さえも飲み込み、純資産の部そのものがマイナスになってしまいます。

この状態が債務超過です。

東芝やシャープもこのようにして債務超過に陥ってしまいましたね。

損益計算書と貸借対照表のつながりはこれ!2つの関係を東芝の債務超過から学ぼう

2017.11.17

 

 

また、「利益剰余金」は自己資本の構成要素の1つです。

そのため、毎期の当期純利益の金額が自己資本を使った指標(自己資本比率ROEなど)の数値を左右することになりますね。

【はじめての利益剰余金】その求め方とは?マイナスになるケースや使い道も押さえよう!

2018.02.02

 

 

【事例】当期純利益を見る際の注意点!必ずしも真の実力を表さない理由とは?

新聞などのメディアでは、企業の業績を表す指標として当期純利益を取り上げることも多いですね📷

しかし、必ずしも当期純利益が企業の実力値を表すわけではありません

 

当期純利益は、企業の営業活動による利益のほか、使わなくなった土地の売却益や災害によって被った損失のような一時的な損益(特別利益と特別損失)からも構成されます。

このような一時的な損益は毎年発生するものではなく、企業本来の実力を表すとは言えませんね。

 

事業が不調でも当期純利益が増えた例~日清紡~

2017年度第1四半期(4月~6月)の日清紡の業績は、主力のエレクトロニクス事業の不調などにより営業損失(マイナスの営業利益)が拡大してしまいました。

しかし、「親会社株主に帰属する四半期純利益」を見ると、前年の同じ時期の9.5倍にまで増えています😥

 

日清紡は事業の絞り込みをかける中で、2017年度に紙事業を切り離すことにしました。そのため、2017年度第1四半期は紙製品事業を営む子会社の株式を売却し、それによる売却益(特別利益)が大きく出たのです。

このように一時的な利益が大きかったために、営業活動自体が芳しくなくても最終増益という結果になったのですね😲

 

ところで、この子会社株式の売却益は2017年度特有のものです。

つまり、もし営業活動自体が上向かなければ、次の2018年度の当期純利益は2017年度との比較で大きく減少する可能性もあるのです💦

 

 

事業が好調でも当期純利益が減った例~SUBARU~

日清紡とは正反対の事例を示しているのがスバルです。

 

2017年度上半期(4月~9月)のスバルは、自動車の販売台数が増加したこと等により営業利益が増えました

ところが、タカタ製のエアバッグ関連の損失(特別損失)が多額に出たことにより一転、「親会社株主に帰属する四半期純利益」は前年同時期の半分程度になってしまったのです😭

 

このケースで四半期純利益の動向だけを見てしまうと、2017年度上半期に全世界ベースで過去最高の販売台数を達成したことなどは見落としてしまいますね。

 

スポンサーリンク

まとめ

当期純利益は、あくまでその年に最終的に残った利益です。一時的な要因で大きく増減するため、「当期純利益が前年から増えたか?減ったか?」だけで企業が好調かどうかを判断することができません

特に特別利益や特別損失といった一時的な損益は、金額が巨額になるのが特徴です。営業活動の成果を簡単にひっくり返してしまうのです。

一時的な利益(特別利益)により当期純利益が大きく増えた場合、翌年はその反動で大きく減る可能性が高いことも念頭に置いておくとよいですね✨

 

当期純損失は何を意味するの?「マイナスの当期純利益」の正体を明かそう

2018.01.30

債務超過の意味をすっきり理解!その原因とは?赤字との違いもわかりやすく解説します

2018.01.17

 

 

おすすめコンテンツ(広告含む)