【初心者向け!】減価償却累計額とは?貸借対照表でマイナス表示のワケも解説

 

貸借対照表を見ていると、固定資産の欄に減価償却累計額という項目が登場します。

何やら耳慣れない言葉ですが、どのような意味なのでしょうか?

この言葉の意味減価償却費との違い、そして固定資産からマイナス表示される理由について見ていきましょう!

 

減価償却累計額の意味とは?

購入した当初、固定資産は購入金額(+購入手数料、運賃等)をもって貸借対照表に表示されます😊

その後、固定資産を使っていくうちに減価償却を通じてその残高を減らしていきます。同時に、残高が減った分だけ減価償却費という費用が発生します。

🔸 減価償却の詳しい仕組みについては、こちら(↓)で解説しています。

初心者向け「減価償却とは?」のやさしい教科書!意味やメリットをわかりやすく解説

2017.11.12

 

減価償却累計額とは、今まで発生した減価償却費を過去分からすべて足し合わせた金額のことです。

ポイントは、すでに廃棄、売却した固定資産の減価償却費は含まないということです。現在保有している固定資産の分のみ含まれます✨

 

 

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なぜ、決算書でマイナス表示なの?【事例付き】

資産からマイナスされる理由

貸借対照表(BS)を見ると、固定資産の欄で減価償却累計額がマイナス表示(△)されています。

これは、固定資産の現在の価値を分かりやすく表すためです。その例として、ビックカメラの減価償却累計額を見てみましょう😊

 

3つ並んだ数字の意味とは?

ビックカメラの2017年8月期の貸借対照表を見てみると、有形固定資産の「建物及び構築物」の欄にはこのように記載されています✍

 建物及び構築物       568億円

  減価償却累計額     △288億円

  建物及び構築物(純額)  279億円

 

上2行が表していることは、「建物及び構築物」の購入当初の金額(取得価額)が568億円、それに対し減価償却累計額が288億円であるということです。

ビックカメラの減価償却費は、主に店舗や倉庫の建物から生じています。減価償却累計額には、池袋本店などの開業当初からの減価償却費がすべて足し込まれているのです。

 

そして、最後の行の「建物及び構築物(純額)」279億円こそが、「建物及び構築物」の現在の価値です✨

279億円は上2行の差額(=購入当初の金額568億円-減価償却累計額288億円)であり、「建物及び構築物」の現在の帳簿価額を表しています。

 

 

固定資産の金額にカウントされるのは3つのうちの1つだけ

3つの金額が並んでいますが、実はビックカメラの固定資産の金額としてカウントされるのは、最後の行の「建物及び構築物(純額)」279億円のみです💡

 

上2行は、あくまで「建物及び構築物(純額)」の参考情報として記載されています。

これらは、現在の帳簿価額である「建物及び構築物(純額)」の計算過程、つまり「購入当初の金額 - 減少した価値(減価償却累計額)」を示すために表示されているんですね。

減価償却累計額がマイナス表示されている理由は、ここにあります✨

 

これらの情報を見れば、ビックカメラが現在持っている建物のうち、半分程度はすでに減価償却されている(購入時の金額から半分になっている)ことが分かりますね🏢

 

 

例外もある

貸借対照表に、固定資産の現在の帳簿価額だけを載せる方法もあります

ビックカメラのように計算過程を示して3行表示するか、それとも現在の帳簿価額だけを1行で表示するかは、企業が選択できます。

 

また、無形固定資産の場合は、貸借対照表に減価償却累計額は表示されず、現在の帳簿価額だけが表示されます。

 

 

減価償却費との違いをおさえよう!

簡単な例を使って、減価償却費減価償却累計額の違いをおさらいしてみましょう!

 

開業して3年経つケーキ屋さんがあったとします🍰

開業時に、ケーキ屋さんは店舗用の建物を2000万円で購入しました。この固定資産から生ずる減価償却費は、毎年100万円です。

 

ケーキ屋さんが3年目の決算書を作るとき、損益計算書には3年目に生じた費用として減価償却費100万円を載せます。

一方、貸借対照表には、建物の現在の価値が分かるように表示しなくてはなりません。そこで、以下のように表示します✍

 建物及び構築物      2000万円 ← 建物の購入当初の金額

  減価償却累計額     △300万円 ← 毎年の減価償却費100万円 × 3年

  建物及び構築物(純額) 1700万円 ← 購入当初の金額 - 減価償却累計額

 

減価償却累計額は、購入当初から現在までの間に減った建物の価値を金額で表したものです。

その減価償却累計額を購入当初の金額から差し引いた残額が、建物及び構築物(純額)に表されています。これが現在の価値ですね✨

 

つまり、減価償却費と減価償却累計額の違いをまとめると、こうなります。

🔸 減価償却費各年において減少した固定資産の価値を指すのに対して、減価償却累計額それを過去からすべて足し合わせた金額を示す。

🔸 費用に含まれる減価償却費損益計算書上に表示されるのに対して、減価償却累計額は(マイナス勘定として)固定資産の残高を構成しているために貸借対照表に表示される。

 

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まとめ

1.減価償却累計額とは、今まで発生した減価償却費を過去からすべて足し合わせた金額のことである。ただし、すでに廃棄・売却した固定資産の減価償却費は含まない

2.減価償却累計額を貸借対照表でマイナス表示するのは、固定資産の現在の帳簿価額の計算過程(= 購入当初の金額 - 減価償却累計額)表すため。

3.減価償却費と減価償却累計額の違いは、どの期間の減価償却費を含むか(減価償却累計額は過去分から足し合わせる)である。また、減価償却費が費用であるのに対し、減価償却累計額はマイナス勘定として固定資産の残高を構成する。

 

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