つまり、減損するとどうなるの?キホンの意味と業績への影響を簡単に知ろう

 

今回のテーマは、減損処理💫 実は、多くの企業が行っている会計処理です!

今回は、基本的な意味から経営に与える影響まで、わかりやすくお話していきます✨

 

まず、減損処理のキホンを簡単に知ろう

減損のキホンの意味とは?

 

資産とは、何らかの方法で「将来の会社のお金を増やす」ことに貢献するものです✨

 

その資産の1つである固定資産は、「商売活動に使うことで会社のキャッシュを増やす」という価値があります。

決算書で表示される固定資産の金額は、この価値を表したものです💎

 

そのため、ある固定資産が

🔸 商売活動に使うことで増やせるキャッシュの量が少なくなる

🔸 そもそもキャッシュの獲得に貢献できなくなる

という状態になった場合、資産としての価値が減ったことになります。

そうなると、決算書に表示する金額も減らさなくてはなりません

 

このように、固定資産の価値の減少に合わせて決算書で表示する金額を減らすこと…これが減損処理です💡

減損する金額は、会計のルールに則って決定します。そして、固定資産から減らしたのと同額だけの減損損失特別損失に計上します。

 

 

どんな資産が対象になる?

減損処理の対象となるのは有形固定資産無形固定資産です。

よくニュースで取り上げられるのは、建物機械のれんなどの減損ですね😊

 

棚卸資産有価証券なども、資産の価値が低下した場合は残高を減らす処理を行います。

その処理の方法が、有形固定資産や無形固定資産の場合(減損会計というルールを適用します)とは異なるために、一般的に減損処理とは呼ばれないんですね。

 

棚卸資産の残高切り下げ(在庫評価損)については、こちら(↓)で解説しています✍

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決算書から減損損失の金額を知るには?

大きい減損損失であれば、新聞にも載りますし、決算発表前に企業HPでも公表されます💡

このようにメディア等で大きく取り上げられるほどではなくても、ある程度の規模の企業であればちょこちょこと減損処理をしているものです。

ここでは、企業の減損損失の金額を知る方法をご紹介します😊

 

1.その年の減損損失の合計金額を知りたい場合

損益計算書の特別損失の欄を見てみましょう!

減損損失は特別損失の1項目であるため、特別損失の欄にはその期に発生した減損損失の合計金額が表示されます。

 

2.資産ごとの減損内容を知りたい場合

さらに、「どんな資産がいくら減損したか」という詳しい内容を知りたい時は、有価証券報告書の【注記事項】を見てみましょう。

減損処理を行っている企業であれば、【注記事項】の(損益計算書関係)の項目に、減損損失の金額を含む減損処理の詳細な内容が注記されています✍

【はやわかり!】決算書の入手方法まとめ

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簡単な例で減損を理解しよう

赤字続きのイタリアンレストランの例

たとえば、イタリアンレストランをチェーン展開している企業を考えてみましょう。

そのレストランの本店は、近年赤字が続いてしまい、今後も回復する見込みが立ちません💦

 

本店には、建物や機材といった固定資産1000万円があります。

一方、本店から今後稼ぎ出されるキャッシュは、固定資産を売却して得たキャッシュを加味しても、1000万円もないことが明らかです😨

 

建物と機材の価値が減ってしまったワケ

本店にある固定資産は「今後、1000万円以上のキャッシュ獲得に貢献する」と考えられていたために、決算書では1000万円と表示されています。

しかし、競合店の登場や、食の流行の変化などの影響を受けて、その固定資産が生み出せるキャッシュが減ってしまったんですね😢

つまり、それらの固定資産は資産としての価値が減ってしまったのです。

 

減損による決算書への影響とは?

商売活動の中で、今後、本店の固定資産が生み出すと考えられるキャッシュ(を現在価値に直した金額)600万円です。

そこで、貸借対照表に含める本店の固定資産の金額を、現在の1000万円から600万円にまで減らします

同時に、減らした400万円減損損失として損益計算書に計上します。

 

減損損失の仕訳はこれでカンペキ!仕訳例・BSへの影響も楽しく理解しちゃおう

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応用編!どのように価値の減少を把握する?

ここではもう少し掘り下げて、減損の兆候を把握する方法や、固定資産から減らす金額の求め方を見てみましょう。

「概要だけ分かれば大丈夫!」という方は、このパートを飛ばしてしまって大丈夫です😊

 

いつ減損処理をするのか?減損の兆候のつかみ方

企業は、毎期の決算で、減損処理を行う必要があるかどうかを判定しなければなりません✍

具体的には、以下の傾向が見られると、本当に固定資産を減損する必要があるかを確かめるために本格的な調査に乗り出すことになります。(以下の傾向があるからといって、即時に減損処理の実施が決定されるわけではありません)

🔸 その固定資産を使用した営業活動で赤字が続いている

🔸 その固定資産が使われている事業が廃止される

🔸 販売価格の大きな下落、販売量の大きな減少など、市場環境が著しく悪化している

🔸 その固定資産の売却価格が大きく下落している

 

固定資産をいくら減らすのか?

調査の結果、減損処理をする必要があると判断されると、いよいよ固定資産から減らす金額を決めます。

固定資産の価値が減った分だけ固定資産の残高を減らしますので、その固定資産の現在の価値を求めれば固定資産から減らす金額を求めることができます。

一番よく使われているのは、今後その固定資産を使用して得られるキャッシュをその固定資産の現在の価値と考える方法です。

 

先ほどのイタリアンレストランの例で言うと、

🔸 今後、その固定資産を使用して営業することで、本店が得られるキャッシュ

🔸 使用後に、その固定資産を売却することで得られるキャッシュ

この2点が、今後、本店の固定資産を使用して得られるキャッシュです。

これらのキャッシュを現在価値に直します(具体的には上記のキャッシュを現在時点にまで割り引く)。

ここで得られた固定資産の現在価値が、帳簿に記録されている残高を下回っている分だけ減損損失として計上するのです。

 

 

今後の経営に与える影響とは?

減損処理を行うことで、今後の経営に変化はあるのでしょうか?

減損の対象となった固定資産を有する事業は、業績が大きく悪化していることが多いです。そのため、減損処理の実行にはネガティブな印象が持たれがちです。

その一方で、今後の経営に関しては減損処理がポジティブな働きをすることもあります✨

 

それは、今後の固定費を大きく減らせることです。

固定資産からは、減価償却を通じて毎年費用が計上されています。固定資産をたくさん持つ企業ほど、この費用はなかなかの負担になります。

減価償却の詳しい解説はこちら(↓)

初心者向け「減価償却とは?」のやさしい教科書!意味やメリットをわかりやすく解説

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しかし、減損処理によって固定資産の残高が減ると、毎年生ずる減価償却費も減ります

この意味で、減損処理はその後の費用負担を減らす効果があるんですね✨

 

ちなみに、減損処理をしようとしまいと、固定資産の購入に際して支払った金額は変わりませんよね💰

また、固定資産を使用する期間全体で見れば、減損処理をしてもしなくても、固定資産から生ずる費用や損失の合計額は同じです(使用期間が終わる前に売却しないかぎり)。

会計処理方法によって、その年その年の業績の見え方が変わるということも忘れてはいけません💡

 

 

減価償却との違いとは?

最後に、減損と減価償却の違いにもさらりと触れておきましょう✨

両者とも「減」という文字がついている通り、固定資産の価値の減少を表す処理という点では共通しています。

 

異なるのは、この2つが「固定資産のどんな価値の減少を対象にしているか」なんですね。

🔹減価償却 →固定資産の使用による劣化

🔹減損   →獲得できるキャッシュが減ったことによる価値の減少

 

減価償却は、固定資産の使用を通じて、古くなったり性能が落ちたりする価値の減少を表します。そのため、固定資産を使用している間は、毎年少しずつ固定資産の残高が減らされ、同時に減価償却費が計上されるのです。

一方、減損の場合は、固定資産自身の性能に変わりがなくても、市場環境の変化等によって獲得できるキャッシュが減れば、それによる価値の減少を表します。一度に減らされる金額も、減価償却と比べて大きくなりがちです。

 

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まとめ

1.減損処理とは、資産の価値の減少に合わせて、決算書に表示する資産の残高を減らすことである。同時に、減らした金額だけ減損損失(特別損失)を計上する。

2.減損損失の金額を知るなら、損益計算書の特別損失の欄を見る。さらに詳しい情報は、有価証券報告書の【注記事項】に記載されている。

3.減損処理をすることで、今後の固定費が減るというメリットを享受できる。ただし、その固定資産を購入するにあたって支払った金額は変わらない

 

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