設備投資は財務諸表のどこに表れる?~ニトリの新規出店編~

 

設備投資を行うと、財務諸表にはどんな変化が表れるのでしょうか?今回は、新たに出店するケースを見ていきましょう!

一般的な話はこちら(↓)で解説しています

設備投資は財務諸表のどこに表れる?貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書別にご紹介!

2018.03.15

 

新規出店が財務諸表上で意味することとは?

出店したときの設備投資とは?

店を構える場合、店舗となる建物を用意しなくてはなりません。

その1つの方法として、建物や土地を購入してしまう方法があります。

また、出店攻勢をかけている企業などは、賃借した建物を使うことも多いです。この場合は、建物の内部に設備等を設置して使いやすい仕様にします。たとえば、調理設備や照明器具などですね。

 

いずれの方法をとるにしろ、建物(及び土地)ないし建物内部に設置する設備に対して投資をすることになります。

 

つまり、「お金」と引き換えにこれらの「設備」を手に入れるのです。そうして手に入れた「設備」は、使っていくうちにその価値が落ちてゆきます

財務諸表では、このような資産の交換と、その後の資産の減価が表されます。

 

店舗を借りることで登場する資産と負債とは?

店舗用に建物を借りる場合は、上記に加えて敷金を支払うことが多いです。これは、マンションやアパートを借りる場合と同じですね😊

通常、敷金は建物を返却する際に戻ってきます。つまり、企業にとっては資産と考えられるのです。

 

また、建物を借りる場合、賃借契約には原状回復義務が記されていることが一般的です。借りた建物内に設置した設備等は、返却時に撤去しなくてはならないのです。

この将来の撤去にかかる支払い義務(負債も、財務諸表にも表さなくてはなりません。

 

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設備投資は財務諸表のどこに表れる?~新規出店編~

まずは、新規出店する際のいわゆる設備投資部分(建物やその内部の設備、土地の購入)が起こす財務諸表の変化を見てみましょう。

 

資産の一覧を表す貸借対照表では、建物やその付属設備を表す「建物及び構築物」、そして「土地」といった有形固定資産が増えます

同時に、購入時に支払った「現金及び預金」が減ります

 

購入した後は、使っていくうちに建物や付属設備の価値が下がっていくため、貸借対照表上の「建物及び構築物」の残高も減っていきます

同時に、建物等を使うことで発生する費用(減価償却費)が損益計算書に織り込まれます。これが、減価償却です。

ただし、土地は減価償却されないので、購入した時からは残高は減りません。

 

設備投資による財務諸表の変化については、こちら(↓)でさらに詳しく解説しています(キャッシュフロー計算書のことも記載しています)。

設備投資は財務諸表のどこに表れる?貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書別にご紹介!

2018.03.15

 

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店舗を賃借した場合、その他どんな変化がある?~ニトリを例に~

店舗を借りる場合、財務諸表にはどのような変化があるのでしょうか?

前のパートでもご紹介した通り、借りた建物内に設備や備品等を設置した場合は有形固定資産が増え、購入に使った現預金が減ります。

ここでは、その他の変化を見てみましょう😊

 

財務諸表のこんな項目が増えます

貸借対照表の固定資産の1つに「投資その他の資産」というグループがあります。

店舗を借りる時に支払った敷金は、この「投資その他の資産」の1項目として表示されます。将来、現預金として戻ってくるため、資産という位置付けなのです。

この時、支払った金額だけ「現金及び預金」が減ります。設備を購入した時のように、ここでも資産の交換(現預金と敷金の交換)が発生するのです。

 

また、店舗を借りることで企業が負う原状回復義務(つまり、借りた店舗を元通りにする義務)は、貸借対照表の負債の1つとして表示されます。

原状回復のために将来かかる支出(※)を、「資産除去債務」という負債として表すのです。(※正確には、将来の支出額を現在価値に置き直します)

同時に、同じ金額だけ有形固定資産が加えられ、減価償却されてゆきます。

資産除去債務の詳しいお話はこちら(↓)で解説しています!

【超初心者向け】資産除去債務とは?具体例でわかりやすく解説!

2018.01.10

 

出店攻勢をかけるニトリの財務諸表では…

国内外で店舗網を拡大しているニトリ

毎年、新たな店舗に投資をしており、2017年11月20日時点では509店舗を構えるまでにいたりました。1年前と比べると50店舗も増えたことになります。

最近のニトリは特に都心部でその存在感を強めており、高島屋や東急といった百貨店への出店が目立ちますね。そのため、新規出店する際は、店舗となるスペースを借りることも増えていると思います。

 

それをよく表しているのが敷金の残高です。数年前までその金額は横ばいでしたが、ここ3年ほどで残高が増えてきたのです。

この傾向は、資産除去債務も同じです。

 

それぞれの残高を、ここ最近の3年ごとに見てみると…

 2011年11月20日2014年11月20日2017年11月20日
敷金145億円162億円218億円
資産除去債務(固定)15億円21億円49億円

増え方が加速しているのが分かります😊

 

都心での出店数が増えていること、また機動的にスペースを確保できるようにと、賃借による出店も増えていることが財務諸表から見て取れます。

 

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まとめ

1.新規出店のための設備投資では、「建物及び構築物」や「土地」といった有形固定資産が増え、それらの購入に使った「現金及び預金」が減る

2.店舗用建物(又はスペース)を賃借する場合は、投資その他の資産の「敷金」、負債の「資産除去債務」が増えることが多い

 

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