【事例付き】決算書分析のポイント「季節変動」とは?売上のトレンドをおさえよう!

 

季節変動ってなに?

利益をしっかり出している優秀企業なのに、

😲「上半期だけの業績を見ると赤字だった…!」

ということがあります。

 

実はこの理由と季節変動は大いに関係しています✨

 

アイスが夏季に売れるように、

その一方で、チョコレートが冬季に売れるように(※バレンタインデー商戦)、

売れやすい時期と売れにくい時期が明確に分かれている商品は数多く存在します。

 

このように、商品の売れ行きなどが季節を通して変動することを季節変動といいます😊

 

季節によって変わる気温やイベント(正月、夏休み、ハロウィンなど)が、商品の需要に影響を与えるためですね。

 

アイスやチョコのような一般消費者向けの商品以外にも、季節変動は見られます。

たとえば官公庁向けに製品を納めている企業は、年度末に売上高が増えやすい(顧客である官公庁の予算期に合わせて)という特徴が見られます。

 

 

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決算書の分析にはひと工夫必要!

決算書を分析する場合、年間ベースで業績を比較するのであれば、それほど季節変動を気にしなくても大丈夫だと思います😊

問題は、月単位、四半期単位に区切って業績を分析する場合です✨

 

たとえば、アイスを販売している企業であれば、気温が高くなる夏季に売上が伸びやすいです🍦

この企業の10・11・12月の業績を分析する際に、直近の7・8・9月の業績と比較すると、やはり売上・利益が落ち込んでいることが多いです。

 

そこで、

😨「う、売上が下がってる…?」

と落ち込むのはまだ早いです😉

 

この企業にとって7・8・9月は稼ぎ時。

ここでたくさん売って、年間の売上の底上げをはかっているのです✨

 

ということで、

10・11・12月の業績を分析するのであれば、過去の10・11・12月の業績と比較するのが◎です!

まずは、前年の10・11・12月の業績と比べてみましょう。

そこで、

😨「う、売上が下がってる…?」

となれば、季節変動以外に原因があるはずです。

 

業績に影響する季節的な要素をそろえることで、業績変化の背景がよりクッキリと浮き彫りになってきますよ😊

 

 

【事例】サーティワンの季節変動を見てみよう

では、実際にアイスを販売している企業を見てみましょう🍦

CMでもおなじみ、B-R サーティワンアイスクリームです。

 

2017年12月期の売上高、営業利益を見てみると…

 

B-R サーティワンアイスクリーム業績(2017年12月期) 単位:億円

  1~3月  4~6月  7~9月 10~12月
売上高38545848
営業利益-0.3-0.060.7
※ B-R サーティワンアイスクリーム株式会社 四半期報告書、有価証券報告書より
※ 0億円未満の場合は小数点以下も表示

 

 

やはり、気温が高くなってくる4~6月と7~9月の売上高が大きいですね!

なかでも、夏真っただ中の7~9月に、年間の営業利益のほとんどを稼ぎ出していることが分かります。

こういう背景もあって、上半期(1~6月)だけでみると赤字になってしまっているんですね。

 

 

1年間の推移だけを見ると勢いがあるように見える7~9月の業績ですが、

実は前年の7~9月と比べてみると…

B-R サーティワンアイスクリームの7~9月の売上高

 2016年:60億円

   ↓

 2017年:58億円

と、減ってしまっています

 

どうやら、2017年夏季は、長雨が続いた期間や気温が低い期間があったために、売上の伸びに勢いを欠いてしまったようです💦

もし平年並みの気候であれば、もっと売上高が増えていたかもしれませんね。

 

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まとめ

1.商品の売れ行きなどが季節を通して変動することを季節変動という。

2.月単位、四半期単位で決算書を分析する場合、過去の同じ時期と比較するとよい。

 

【初心者向け】決算書を分析するポイント:「比較」の技をサクッとおさえよう!

2018年7月23日

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