負債の基本のキ!さくっと意味を押さえよう
負債といえば…
借金のイメージがありますね😊でも、あくまで借金は負債の1項目。
借金が負債の半分にも満たないという企業は多いんですよ。
そんな、個性豊かなメンバーを抱えた負債にも、それぞれに共通する特徴があります😊
それは、
将来お金が出ていく予定を表しているということ✨
(※一部例外あり(^^;))
借金であれば、借りたお金を将来返さなくてはならないですよね。
このように、将来何らかの形でお金が出ていく予定を金額で表したものが負債なのです。
お金が出ていく時期が(貸借対照表の)決算日から1年以内か、1年を超えるかによって、流動負債と固定負債に分類されます。
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負債にはどんな種類があるの?
決算書に頻出する項目でグループを作ると、負債は主に5つに分けられます。
グループ | 主な科目 |
---|---|
チーム 借金 | 借入金、社債、コマーシャル・ペーパー |
チーム 未払い | 買掛金、未払金、未払費用、リース債務、未払法人税等 |
チーム 引当金 | 退職給付に係る負債、賞与引当金 |
繰延税金負債 | 繰延税金負債 |
前受金 | 前受金 |
特に大きな割合を占めやすいのが、上3つのグループですね😊
チーム借金
いわゆる負債のイメージである借金のグループです💰
事業に使うために、銀行、取引先などから資金を借りていることを表します。
これらの資金は、返済期限までに返さなくてはなりません。加えて、利息を支払う必要もありますね。
チーム未払い
たとえば、未払いになっている仕入代金(買掛金・支払手形)、未払いになっている土地や有価証券などの購入代金(未払金)のように、支払うことが確定しているものの実際にはまだ支払われていない金額を表します。
商品やサービスを購入し、その代金が未払いになっているモノが多いですね😊
チーム引当金
すでに支払う根拠があるにも関わらずまだ支払いが行われていない、という点ではチーム未払いと同じです。
たとえば、製品保証引当金であれば、販売済み商品の保証期間内に応じるであろう修理見込み額が計上されます(支払う根拠は、「商品を販売した」という事実)。
ただ、将来支払いが発生する可能性や支払う金額の正確性については、チーム未払いよりもチーム引当金の方が弱いですね。
なぜなら、請求書などで支払いが確定している買掛金や未払金(チーム未払い)と違って、賞与引当金や資産除去債務(チーム引当金)の場合は、将来支払う金額を推測しているからです。
繰延税金負債
繰延税金資産とは反対に、「将来における税金の支払額を増やす効果」を表したのが繰延税金負債です。
そのメカニズムは、決算書上の利益と税金計算上の利益が少し異なることにあるのですが、少々複雑なお話になります💦
ご参考(↓)😊
前受金
前受金とは、「販売する前に受け取った、商品やサービスの代金の一部または全部」のことです!
「これから商品やサービスを提供する義務がある」ことを示しているために、負債に分類されます✨
販売のキャンセル等により前受金を返金することもありますが、他の負債とは異なり「将来お金が出て行く予定」を主な性質とはしていないのが特徴です😊
【事例】大塚家具の負債を見てみよう!借金0のワケとは?
大塚家具の負債(2017年12月末) 単位:千円
負債 | 金額 | グループ | |
---|---|---|---|
流動負債 | 支払手形 | 876,351 | チーム 未払い |
買掛金 | 1,499,277 | ||
未払金 | 170,268 | ||
未払費用 | 1,347,575 | ||
未払法人税等 | 122,108 | ||
前受金 | 1,529,861 | ||
預り金 | 203,015 | ||
販売促進引当金 | 24,819 | チーム 引当金 | |
ポイント引当金 | 309,110 | ||
その他 | 271,962 | ||
流動負債合計 | 6,354,350 | ||
固定負債 | 受入保証金 | 77,294 | |
役員退職慰労引当金 | 500,726 | チーム 引当金 | |
事業構造改善引当金 | 1,420,299 | ||
資産除去債務 | 359,979 | ||
長期預り金 | 2,381,722 | ||
繰延税金負債 | 410,924 | ||
その他 | 16,308 | ||
固定負債合計 | 5,167,254 | ||
負債合計 | 11,521,605 |
最大派閥「チーム未払い」には事業の苦しさが表れている
最大派閥はチーム未払いです!負債全体の3分の1ほどを占めていますね😊
ここには家具メーカーなどへの仕入代金の未払い分(買掛金や支払手形)が含まれています。
最大派閥とはいうものの、実はチーム未払いの金額は年々減ってきています💦
ご存知のとおり、ここ最近の大塚家具の業績は険しい道をたどっています…。
販売高が少なくなってしまったため、足並みをそろえるように仕入高も減らしているのです。それが買掛金や支払手形の減少につながっているんですね。
また、利益が縮んだことで税金の支払いも減ったため、未払法人税等も大幅に減りました。
「チーム引当金」には大塚家具の方針転換が表れている
つづいて2番目に大きな金額を占めているのはチーム引当金です✨
この中でひときわ金額が大きく、目立っているのが「事業構造改善引当金」です。
実はこれ、この年に登場した負債なんです!
販売が苦戦する中、大塚家具は店舗のあり方に関する方針を変えることにしました。
今までは大きい都市に大型店をドーンと構え、広域から客を集めていました。その店のサイズを小さくし、より身近な地域に多く設けることにしたのです。
その方針転換によってこれから見込まれる損失を「事業構造改善引当金」に込めているのです。
意外?大塚家具には借金がない
ここ2年は赤字になるほど業績が落ちているので少々意外かもしれませんが、大塚家具は無借金経営を続けています(2017年12月末時点)。
つまり、チーム借金は0円。
実は、大塚家具はもともと潤沢な現預金を抱えていたのです。
その上、投資有価証券を売ったり、不動産を流動化したりして(これが負債の「長期預り金」という項目に表れています)キャッシュを得ていたので、借金に頼らなくても大丈夫だったんですね。
そんな大塚家具の現預金も、商売の危機にさらされてすっかり目減りしてしまいました。
そろそろ業績を立て直さないと、負債の中にチーム借金が結成される日も遠くないと思われます😨
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まとめ
1.負債の各項目に共通しているのは、将来何らかの形でお金が出ていくということ。
2.負債に頻出する項目としては、借入金や社債といった借金、買掛金や未払金といった購入代金の未払い分、賞与引当金のような引当金などがある。