【かんたん理解】その他有価証券評価差額金とは何?

 

その他有価証券評価差額金の意味とは?

その他有価証券評価差額金のキホンの意味

その他有価証券とは、業務上のお付き合いで保有する有価証券長期的な時価の変動によって利益を得るために保有する有価証券のことです。

短期的な売買によって利益を得たり、子会社化して影響力を与えるために保有するような株式とは区別します。

 

その他有価証券も長期的には売却することが想定されています。その際に、時価が上がれば利益を得ますし、反対に時価が下がれば損失を被ります

こうした時価変動による影響を決算書に表すために登場するのがその他有価証券評価差額金なのです。

その他有価証券評価差額金は、基本的にその他有価証券の時価の変動額を表します。

 

その他有価証券評価差額金は損益には影響しない

ただし、これからご説明するようにその他有価証券評価差額金は損益計算書には登場しません

すぐに売却し利益を得る目的の有価証券ではないため、貸借対照表包括利益計算書といった損益計算書以外の決算書で時価変動の影響を表すのです。

そのため、実際にその他有価証券が売却されるまで、その他有価証券の時価の変動は損益に影響を与えないのです。

(※その一方で、短期的な売買によって利益を得る目的の有価証券は毎年の時価の変動を損益として表します。子会社の株式は、そもそも時価の変動を決算書に表しません。このように、同じ有価証券であっても、保有する目的によって決算書での表し方が異なるのです。)

 

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決算書で表示される場所は2つ!その意味の違いとは?

1年間の時価の動きは包括利益計算書に表れる

決算書の1つに包括利益計算書というものがあります。

包括利益計算書では、当期純利益その他の包括利益を足し合わせることで、1年間の包括利益を計算しています。

包括利益の詳しい解説はこちら(↓)

【初心者向け】包括利益とは?計算方法や当期純利益との違いをわかりやすく解説します

2018.04.19

 

その他の包括利益とは、為替レートや時価の変動による1年間の資産価値の増減額のことです。

その他有価証券評価差額金は、その他の包括利益を構成する1つの要素なのです。

その他有価証券の1年間の時価の変動額が、「その他有価証券評価差額金」としてその他の包括利益に含まれるのですね。

たとえば、保有するその他有価証券の時価が1年間で50円から150円に上がったら、その他の包括利益には時価増加分の100円が含まれます(税効果を考慮しない場合)。

その他の包括利益の詳しい解説はこちら(↓)

【かんたん理解】その他の包括利益とは?ニトリの事例でわかりやすく解説します!

2018.04.25

 

取得時からの時価の動きは貸借対照表に表れる

決算書では、その他有価証券評価差額金が表れる場所がもう1つあります。

それは、貸借対照表の純資産の部です。その他有価証券評価差額金は、純資産の部の中でもその他の包括利益累計額というグループに含まれます。

 

こちらも包括利益計算書と同じく「その他有価証券評価差額金」という名称が使われますが、意味は少しだけ違います。

包括利益計算書ではその他有価証券の1年間の時価の動きが表されるのに対し、貸借対照表ではその他有価証券の毎年の時価の動きを累積させたものが表示されます。

つまり貸借対照表の純資産の部では、その他有価証券を取得したときから現時点までの時価の動きが「その他有価証券評価差額金」という名称で表されていると言えます。

 

包括利益計算書と貸借対照表で表示される「その他有価証券評価差額金」の違いの例

たとえば、70万円で取得したその他有価証券を持っているケースを考えてみましょう。(※税効果は考慮せず)

 

この1年間に株価が上がったことで、その他有価証券の時価が前期末の100万円から当期末に150万円に上がったとします。

この場合、包括利益計算書で表示される「その他有価証券評価差額金」は150-100=50万円です。前期末と当期末の時価の差額ですね。

 

一方、貸借対照表の純資産の部で表示される「その他有価証券評価差額金」は今までの時価の差額を積み重ねた結果ですので、150-70=80万円です。取得価格と当期末の時価の差額になります。

 

その他の包括利益累計額の詳しい解説はこちら(↓)

その他の包括利益累計額とは?内訳、その他の包括利益との違い、自己資本との関係をわかりやすく解説します!

2018.04.27

 

 

その他有価証券評価差額金がマイナスになるときとは?

その他有価証券評価差額金がマイナスの数値で示されることがあります。

これは時価が下がったときですね。

たとえば、その他有価証券の時価が、前期末200円から当期末120円に下がったとしたら、差額の△80円(=120円-200円)が包括利益計算書に表されます(税効果を考慮しない場合)。

また、その有価証券の取得価格が150円であれば、取得価格と当期末の時価の差額である△30円(=120円-150円)が貸借対照表の純資産の部に表示されます。

 

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まとめ

1.その他有価証券評価差額金とは、その他有価証券の時価変動による影響を決算書に表すための項目である。ただし、損益には影響しない

2.その他有価証券の1年間の時価の変動額が、その他有価証券評価差額金として包括利益計算書のその他の包括利益に含まれている。

3.貸借対照表の純資産の部には、その他有価証券の毎年の時価の変動額を累積させたものがその他有価証券評価差額金として表示される。

 

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2018.04.19