当座比率をわかりやすく解説!計算方法・意味・流動比率との違いとは?

 

当座比率で何がわかるの?

当座比率とは、「1年以内の支払いに対応する力」を測定する指標です。

会社を存続させるためには、まず、支払いにきちんと対応することが大切です😊

たとえ、一時的に利益が出なくてもすぐに倒産するわけではありません。しかし、支払いがストップしてしまうと倒産の足音がすぐそこまで聞こえてくるようになります

では、どんな風にして企業の支払い能力を測るのか?次のパートでお話します!

 

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当座比率の計算式をチェック!

当座比率は、貸借対照表の項目を使って計算します。

当座比率の計算式

 当座比率(%) = 当座資産 ÷ 流動負債 × 100

 

計算式の意味とは?

当座資産は、資産の中でも特にお金に換わりやすい性質を持ちます(詳しくは後ほどご説明します)。

一方、流動負債とは、1年以内に支払いが必要な負債(未払金や短期借入金など)を指します。

当座比率の計算式は、1年以内に支払われると判明している金額に対して、短期でお金に換わりやすい資産がどの割合あるのかを計算しているのです。

つまり、この割合が高いほど、1年以内の支出をまかなえる安心感が大きいと言えますね。

 

当座資産とは?

当座資産とは、現預金、売掛金、短期の有価証券といった、換金しやすい資産(及び現預金そのもの)のことです。

簡便的には流動資産 - 棚卸資産 と計算します。

棚卸資産をお金に換えるためには、まずお客さんに販売し、さらに代金を回収するという2ステップが必要です。お客さんに販売できるかどうか、という点に不確実性もあることから、棚卸資産は当座資産から除かれるのです。

 

より厳密に当座資産を計算するのであれば、「前払費用」「前渡金」「繰延税金資産」「その他」といった項目も流動資産から除きましょう。

これらは、換金される性格の資産ではないためです(「その他」は、内容が不明確なので)。

 

 

流動比率との違いとは?

同じく短期の支払い能力を測る指標に流動比率があります。計算式も似ている流動比率と当座比率ですが、この2つの違いは何でしょうか?

 

流動比率の計算式

 流動比率(%) = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100

流動比率の計算式を見てみると、分子に使う資産の種類が当座比率とは異なることが分かります。流動比率は流動資産を、当座比率は流動資産の中でもさらに換金性の高い当座資産を使います。

たとえば、流動資産の1つである棚卸資産は当座資産に含まれません。棚卸資産はいずれはお金に換える目的で保有するものですが、販売に伴う不確実性や換金にかかる時間を考慮して当座資産には含めないのです。

 

このように、当座比率は、より換金性の高い資産を使って計算しています。そのため、当座比率の方が短期の支払い能力をより厳しく判定していると言えます。

 

流動比率の詳しい解説はこちら(↓)

スルッと理解!「流動比率とは?」計算式・目安・意味をわかりやすく解説【JALの事例付き】

2017.11.04

 

 

当座比率の目安はどのくらい?

当座比率が100%以上あれば、1年以内の支払いをまかなうだけの資産があると見ることができます。

もちろん、突発的に多額の支払い請求があれば、たとえ当座比率が100%以上であっても資金ショートしてしまうこともありえます。一方で、当座比率が100%を下回っていても、事業が順調に回っていれば資金繰りに困るとは限りません。

当座比率100%を目安にしつつ、他の経営指標や企業の事業環境と合わせて判断するのがよいですね😊

 

 

ジャパンディスプレイに見る当座比率

ここで、企業の事例を見ながら当座比率の理解を深めていきましょう!

液晶パネルを主力製品とするジャパンディスプレイの当座比率はどうなっているでしょうか?3年間の変化を流動比率とあわせて見てみましょう。

 

2014年3月期:当座比率→102.7% 流動比率→148.5%

2015年3月期:当座比率→ 86.4% 流動比率→125.2%

2016年3月期:当座比率→ 50.4% 流動比率→ 84.4%

両指標とも、年を追うごとに悪化していることが分かります。2015年3月期には、当座比率の目安である100%を切ってしまいました。

ジャパンディスプレイは投資に多くのお金を投じる一方で、なかなか液晶パネル事業を軌道に乗せることができません。そのため、現預金がみるみるまに減ってしまい、当座資産が縮んでしまったのです。

ただでさえ設備投資や研究開発に巨額のお金を必要とするのに、これでは日々の資金繰りすら危うい状況です。

 

この後も財政状態を持ち直せずにいたジャパンディスプレイは、筆頭株主かつ官民ファンドである産業革新機構から借入れを行いました。さらに、海外も含めた事業会社やファンドとの資本提携(数千億円規模で!)を模索しているところです。

官民ファンドの後ろ盾がなければ、存続が危ないところだったかもしれません。とはいえ、まだまだ予断を許さない状況は続きます‥

 

ジャパンディスプレイを事例に用いた在庫評価損の記事はこちら(↓)

ここだけは押さえておきたい!在庫評価損のポイント3つ~PLへの影響を読み解こう

2017.12.11

 

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まとめ

1.当座比率とは、「1年以内の支払いに対応する力」を測定する経営指標である。

2.当座比率(%)= 当座資産 ÷ 流動負債 × 100

当座比率の目安は100%以上

当座資産とは流動資産の中でも換金性の高い性質を持った資産であり、流動資産から棚卸資産などを除いて求める。

3.当座比率は、流動比率よりも短期の支払い能力を厳しく判定している。

 

流動比率が100%を切るとどうなるの?破綻前のスカイマークから学ぼう!

2018.02.06