初心者でもできちゃう!比較の技とは?
決算書を分析する方法はたくさんあります✨
計算式を駆使する方法もありますが、ここでは初心者向けに簡単に取り入れられる分析方法をご紹介します😊
決算書分析の入門編、それは…
決算書の数字を比べることです。
何と比べるかというと…
● 分析したい企業の過去の数字と比べる
● 分析したい企業の同業他社の数字と比べる
という、この2つが基本ですね😊
比較対象を設けることで、分析したい企業の数字の大きさのレベル感を知ることができます。
そこから企業の状況を読み取るというわけです✨
過去の数字と比べる理由
決算書の今の数字を見ているだけでは、果たしてその数字が増えているところなのか、減っているところなのかが分かりませんよね😊
そこで、1年前や5年前といった過去の数字と比べてみるのです。
たとえば、
売上高の場合
昨年より100億円増えた
→昨年より販売が成長している
→成長局面にあるから、来年はもっと増えるかも?
と、予想することができます✨
こうして、企業のトレンド(例:販売が成長局面にある)をつかみ、今後の予想(例:来年は売上高がもっと増えるかも?)を立てることができるのです。
通常、決算書には昨年度と当年度の数字が並べて書いてあります。
そのため、昨年度との比較であれば、簡単にできちゃいますよ😊✨
実は、公認会計士の監査でまっさきに行うのが、この過去の数字との比較なのです。
その後、過去から数字が増えた(減った)理由を調査し、しっかり説明できるようにならなければ、監査は終わりません。
シンプルだけども、とても重要な手法なのです✨
実際に企業内部でもこのような比較は行っており、数字が増えた(減った)理由はちゃんと経営幹部に報告されます😲
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同業他社の数字と比べる理由
先ほどの「過去の数字と比べる」と合わせると、さらに効果的な技です✨
決算書の数字は、業種によって特徴が出ます。
また、同じ市場にいれば、過年度からの数字の動きにも同じ傾向が出やすいですね。
たとえば、
猛暑の年であれば…
→エアコンの販売が増えた
→電気量販店や家電製品メーカーの夏の売上高が伸びる
というように✨
そのため、他社と比べる際は、同じ業種の中から比較する企業を選ぶとよいです😊
同じ市場にいる企業と比べることで、伸びてはいるけど同業他社と比べて伸びが鈍いとか、はたまた、同業他社は伸びているのに対象企業にその気配は全くない(!)といったことも見えてきます。
ただ「伸びている」という情報だけでは分からない懸念点(またはプラスな点)なども、見えてくるんですね。
過去の数字と比べる時のコツとは?
数字だけではつかめない、企業の本当の姿とは?
ここで、決算書を分析する時のコツをお伝えします✨
それは、分析したい企業のストーリー(背景)をつかんでおくということです。
たとえば、「売上高が増えた」という現象1つをとっても、その背景に何があるかによって捉え方が全く変わってくるんですよ😊
「売上高が増えた」と聞くと、” 一見 ” 企業が成長しているように思えます。
でも…
●海外に商品を売っている会社で、円安の年だったら、
→為替レートの力で売上高が増えたように見えているのかもしれない。
●流行の商品を扱っている会社だったら、
→市場全体が膨らんでおり、実は競合他社と比べれば伸び幅が小さいかもしれない(つまり、シェアが縮んでいるということ)。
と、必ずしも企業にとってプラスの意味だけではないことが分かります。
どうやって企業のストーリーを知るの?
企業のストーリー(背景)を知る方法についての情報源はたくさんありますし、時間をかけようと思えばいくらでもかけられます。
…とはいえ、最初からじっくり調査するのはとっても大変ですよね💦
ということで、今回は企業のストーリーを調べる方法【レベル1】だけをお伝えします!
これを知っているかどうかだけでも、決算書の理解度は変わってきますよ😊
① 成長のレベル感を知ろう
→有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」、企業HP(業績ハイライト)など
② どんな事業を行っているのかを知ろう
→企業HP(会社案内)、有価証券報告書の「事業の内容」、「セグメント情報」など
①成長のレベル感
「① 成長のレベル感」というのは、分析したい企業がどのステージ(成長真っただ中にいるのか、成長の勢いが落ち着き安定しているのか、事業が危ない状態にあるのか)にいるのかといったことです。
どのステージにいるかによって、決算書に出てくる項目をポジティブにもネガティブにも捉えられるのです。
例えば、借金が増えた場合を考えてみましょう!
もし、その企業が成長のステージにいるのならば、
一方、その企業が低迷している状況だったら、
と、同じ「借金が増えた」という現象も、その背景によっては明るい未来も心配な未来も予想できてしまうのです。
直近5年間の業績であれば、有価証券報告書の最初のページ(↓)に売上高や利益などの推移がまとめてあります。
第一部 企業情報 > 第1 企業の概況 > 1 主要な経営指標等の推移
このページは、ザックリした推移をつかめるのでとっても便利です🎵
有価証券報告書の入手方法はこちら(↓)
また、企業HPの投資家情報ページに、直近の業績推移をまとめているところが多いので、それを使うのもいいですね😊
②どんな事業を行っているのか
実はこれ、知ってるつもりで知らないことが多いんです。
飲料メーカーでも不動産事業の利益に支えられていたとか、家電製品のイメージが強いのに鉄道や発電所を作っていたとか…よくありますね😊
事業によってトレンドが全く異なるので、主要な事業だけでも押さえておきましょう!
企業HPの会社案内ページには、事業の内容が分かりやすくまとまっていますよ。
もっと掘り下げるのであれば、売上や利益の割合(ザックリ、主要なものだけでも)をつかんでおくとグッドですね✨
有価証券報告書のセグメント情報(↓)を見れば、事業ごとの売上高、利益(前年度分・当年度分)が書いてあります。
第一部 企業情報 > 第5 経理の状況 > 1 連結財務諸表等 > セグメント情報
※企業HPの投資家情報ページにも、セグメント情報が見やすくまとまっていることが多いです😊
【レベル2】以降については、こちら(↓)でご紹介しています!
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まとめ
1.決算書分析の初級編としては、「数字を比べる」ことから始めるのがオススメ✨
2.「数字を比べる」ときは、分析したい企業の過去の数字や同業他社の数字と比べるとよい。
3.決算書を分析する下準備として、分析したい企業のストーリー(背景)を知っておくと、決算書を断然深く理解できる。