増収減益の意味とは?その原因をパターン別に解説します!

 

「増収減益」が意味することとは?

「増減益」の「収」とは収入、つまり売上高のことです。

また、「増収減」の「益」とは、利益のことです。

つまり、「増収減益」とは売上高が増えているのに利益は減ってしまった状態のことを表します。

 

成長企業の多くは、売上高の成長に伴って利益も増えていきます(増収増益)。

その一方で、拡大する売上高を尻目に利益がしぼんでしまう企業も珍しくはないのです。

次のパートで、その原因を見てみましょう😊

 

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「増収減益」に導く原因とは?

西松屋、3年連続「増収増益」から「増収減益」へ

2018年2月期の決算発表で、西松屋は「増収減益」となった業績内容を明かしました。

 

西松屋チェーンの業績(要約)                        単位:億円

 2017年2月期2018年2月期
売上高1,3621,373
営業利益7868
当期純利益5147

この1年間で売上高は増えているものの、そこから導かれる各利益は減少しています。

それまでは3年連続で「増収増益」だった西松屋に何が起こったのでしょうか?

 

増収の要因、そして減益の原因とは?

増収となった要因は、店舗数が増えたことです。西松屋は、北海道から沖縄まで全国で店舗網を拡大させています。

お客様の窓口となる店舗が増えれば、売上高と一緒に利益も増えそうなものですが…

 

実は、2018年2月期の売上高販管費率は前年と比べて1.2%上昇しているのです。

売上高販管費率とは…

 売上高販管費率(%)= 販売費及び一般管理費 ÷ 売上高 × 100

販管費を効率的に使えているかを分析する指標。売上高販管費率を抑えることは、営業利益率を高めることにつながる。

【初心者必見】売上高販管費率とは?計算式、業種別の特徴を解説します。

2018.04.06

 

1.2%というと微々たる変化のようですが、金額にすると2018年2月期のコストを17億円も押し上げたことになります。

もし前年と同じ水準の売上高販管費率であれば、今回も「増収増益」を達成できた可能性が高いのです(少なくとも当期純利益以外は増益でした)。

 

販管費が膨らんだ理由とは?

売上高販管費率を押し上げた原因の1つに、各店舗の採算が悪くなっていることがあると思います。

 

2018年2月期の西松屋は、既存店の客数が前年割れしている月が大半でした。西松屋の主力商品であるマタニティウェアを、競合するユニクロ等でも取り扱うようになったことなどが影響しているようです。

結果、既存店だけで見れば売上高は前年を下回ってしまいました

 

たとえ来店するお客さんが減っても、店舗の営業を続ける限り、人件費も光熱費も家賃も変わらずに発生します。

売上高は減ってもコストは減らないために、利益が押し込められてしまったのです。これが、売上高販管費率を押し上げた1つの理由です。

加えて、最低賃金の引き上げによって人件費が上昇したことも影響しているようですね。これは、西松屋に限らず昨今の多くの企業が抱える問題です。

 

店舗数が増えた効果で、西松屋全体では増収を確保しました。しかし、裏を返すと、新規出店の効果を取り除けば、「減収減益」になりえたのです。

背景に採算の悪化が横たわる中では、店舗数増加によっても利益の落ち込みはカバーできなかったものと考えられます。

 

その他にもこんな原因がある!

「増収減益」に導く原因として西松屋の例を見てきましたが、この他にも様々な原因があります。

実際に、よく見られる「増収減益」の原因の例を見てみましょう。

売上高は増えるが、すべての段階利益が減るパターン

1.為替レートの変動や、材料費高騰により原価率が上昇する

2.値引き販売の拡大によって商品の利益率が悪化する

3.新規出店や新商品の発売により、初期費用(広告宣伝費や人件費等)がかかる

4.新しい工場が稼働し始めたことにより減価償却費が増加する

 

売上高・営業利益は増えるが、最終減益となるパターン

5.円高が進んだ年に、海外取引によって大きな為替差損を被る

6.災害損失などの特別損失が大きく発生する

7.前年に一時的な利益(特別利益)があったために、今年は反動減となる

 

事業が順調でも、減益になってしまう例もありますね。

3や4のケースは、投資の恩恵を十分に受ける前の段階で、コスト影響が強く出てしまっている先行投資タイプです。これらの投資の成果が十分に発揮されるようになれば、利益の伸びも追いついてくれる可能性があります。

2のケースは、企業があえてとった値引き戦略であればその成否を、売れ残りの在庫処分によるものなら事業自体の今後の採算性をよく見極める必要があります。

 

「増収減益」はよく見られる事象ですが、その原因は実に様々です。

事業自体の採算が悪くなっているのか、それとも一時的なものなのか、その背景を確認することが大切です😊

 

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まとめ

1.「増収減益」とは、売上高が増えているのに利益が減ってしまった状態のことである。

2.2018年2月期の西松屋は、店舗数増加によって増収を確保したものの、店舗ごとの客数減少や人件費高騰によって採算が悪化し、減益となった。

3.「増収減益」は様々な原因によって引き起こされるが、それが一時的なものなのか、それとも事業自体の採算が悪化しているのかといった背景を確認することが大切である。

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