前回(↓)は、「棚卸資産回転期間って何?」という基本のキを解説しました😊
では、棚卸資産回転期間の見方について理解していきましょう🎵
棚卸資産回転期間が長くなるのはどんな時?
ここで、棚卸資産回転期間の計算式をおさらい!
棚卸資産回転期間の計算式
棚卸資産回転期間(月)= 棚卸資産残高 ÷ 1か月あたりの売上原価
くま美さん、棚卸資産回転期間が長くなる時とはどんな時ですか?😊
棚卸資産残高が大きくなったり、1か月あたりの売上原価が小さくなったりした時?
はい、およそ正解です!
より正確には…
🔹1か月あたりの売上原価の増え幅以上に、棚卸資産残高が大きく増えてしまった時
🔹1か月あたりの売上原価は小さくなったのに、棚卸資産残高はそこまで減っていない時
ですね😉🎵
くま美さんのお店では、今までにこのような動きはありましたか?
(※くま美さんは、人気スマホ「くまフォン」を販売するお店を経営しています)
ふたを開けてみると、新商品も従来品と変わらない売れ行きだったんですよね。
それゆえ、仕入れすぎた商品が余ってしまいました。
つまり、売上原価(販売された量)は変わらないのに、棚卸資産残高(売れ残りの商品)だけ増えてしまったのです。
仕入れはいつも通り行っていたのですが、売れ行きが悪かったために、商品余りの状態に陥ってしまいました💧
こちらは、売上原価(販売された量)は小さくなった一方で、棚卸資産残高(売れ残った商品)が増えてしまった状態です😢
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長くなるとどんなリスクがあるの?
このように、
販売される量(=1か月あたりの売上原価)に対して、持っている商品の量( =棚卸資産残高)の割合が増してくると、棚卸資産回転期間が長くなります😲
ところでくま美さん、新商品を仕入れすぎてしまった時のことを思い出してください。
余った商品は、その後どうなりましたか?
つまり、それらの商品を仕入れるために支払ったお金は、モトが取れなかったんですね。
これは、もっと有意義な使い道もあったはずのお金がムダになってしまったとも言えます。
さらに、近くに競合店が出現した時は売上が落ちてしまったんですよね。
その業績の悪さが、商品余り、つまり棚卸資産残高の増加に表れてしまったと。
このように、棚卸資産回転期間が長くなってくると…
🔹商品の売れ残りがたまっており、お金を有効に使えていない
🔹売れ行きが想定通りに伸びていない
といった可能性が考えられるのです😨
(※これ以外の理由で長くなることもあります)
さらに、このまま商品余りの状態が続くと、棚卸資産評価損(在庫評価損)という損失が発生する可能性もあります。
このようなリスクを把握するためにも、
棚卸資産回転期間は過去からの変化を追っていき、長くなっていないかに注意することが大切です!😉
棚卸資産回転期間が長い業種とは?
では、異なる商品を扱う3つの企業の棚卸資産回転期間を見てみましょう✨
棚卸資産回転期間
🔹ライフコーポレーション(2018年2月期):0.6ヶ月
🔹ユニー・ファミリーマートホールディングス(2018年2月期):1.2ヶ月
🔹ヤマダ電機(2018年3月期):4.1ヶ月
同じ小売業でも、棚卸資産回転期間にはずいぶんと差があります!
ライフコーポレーション(スーパーマーケットを運営)は足の早い生鮮食品を扱っているだけあって、棚卸資産回転期間が短いですね💨
平均して半月ちょっとで売り切る分の在庫のみ持っているようです。
ライフコーポレーションほどではないですが、同じく食料品や回転の早い雑誌を扱うユニー・ファミリーマートホールディングス(コンビニ等を運営)も、比較的棚卸資産回転期間が短いですね。
そして、この2つの企業と比べて圧倒的に棚卸資産回転期間が長いのが、ヤマダ電機です✨
食料品等よりも息の長い家電製品を扱うだけあって、数か月程度保有できる量の在庫を持っているようですね😊
このように、取り扱う商品の特性によって棚卸資産回転期間の水準は異なります。
そのため、棚卸資産回転期間を他社と比べるときは、同業種と比較するとよいですね😉
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まとめ
1.棚卸資産回転期間が長くなると、商品の売れ残りがたまっていたり(お金が滞留している)、売上が伸び悩んでいたりする可能性がある。
2.棚卸資産回転期間は過去からの推移を追い、長期化していないか見ることが大切。
3.取り扱う商品によって棚卸資産回転期間の水準は異なるため、同業種の企業と比較するのがよい。