初心者必見!「工事進行基準とは?」をわかりやすく解説します

 

まずは、ざっくり概要を理解しよう!

工事進行基準は、売上や費用の計上方法の1つ

一口に「売上高を計上する」と言っても、計上するタイミングは業種や商品により様々です。

日本の会計基準では、たとえば、工場から商品を出荷したとき、お客さんに商品を手渡したとき、商品を検収してもらったとき…などに売上を計上します。

そのような売上と費用の計上方法の1つとして、工事進行基準があるのです✨

 

お客さんから注文を受けると、通常は、お客さんに完成品を引き渡したり、検収してもらったときに売上と売上原価を認識します。

ところが、工事進行基準を適用すると、製品の完成を待たず、製品を作っていく進捗状況に合わせて売上や売上原価を計上していくのです。

 

このように、製造の途中段階から収益・費用を認識していくことが、工事進行基準の最大の特徴です!

作業期間が数年に及ぶ工事契約も多い中、完成まで売上が計上されなければその企業の実態が見えづらくなってしまいます。工事進行基準を適用することで、収益や費用が生み出されている様子が見える化されるんですね😊

 

どんな業種で適用できるの?

工事進行基準は、どんな製品にでも適用できるわけではありません💡

工事進行基準を適用できるのは、製品の仕様や作業をお客さんの指図に基づいて行う請負契約です。

 

実際に工事進行基準が適用されている製品の例を挙げると、

🔸 船、飛行機、電車、その他大型機械の製造

🔸 発電所や建物の建設

🔸 システムの開発 etc…

などがあります。製品が大型で工事期間が長期にわたる契約が適用される傾向にありますね🚢

 

企業で言うと、

鹿島建設、三菱重工業、川崎重工業、日立製作所、IHI、NTTデータ、東芝 など…

数え上げればきりがありませんが、多くの企業が工事進行基準を使って損益を計算しています😊

 

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工事進行基準の計算に必要な3要素とは?

必須要素が3つある!

工事進行基準を適用する際、損益の計算に必要な要素が3つあります。この3つがなければ、売上高や売上原価を計算することはできません✍

① 工事契約から得られる収益合計

② 工事の遂行によって発生する原価合計

③ 決算日時点での工事の進捗度

 

①は、工事契約で取り決められた契約売価ですね。

工事の進捗度合いに合わせて売上高や売上原価を計算するため、③も必須要素です✨

 

3つの要素はあくまで予測値

①や②をもっと正確に表すと、

① 工事契約から得られるであろう収益合計

② 工事の遂行によって発生するであろう原価合計

と言えます💡

 

実際に工事が終わってみないと、収益や原価の確定値はわかりません。そのため、①も②もあくまで予測値なんですね😊

 

工事の内容や状況によっては、この予測値と実際の金額が大きくズレることがあらかじめ見込まれている(会計的には、「信頼性のある見積もりができない」という言い方をします)場合もあります。

このような状況下で、工事進行基準を使って計算された売上高や売上原価は、企業の実態を表せているとは言えません😢

そのため、このケースでは工事進行基準は適用できないのです。

これは、「③ 決算日時点での工事の進捗度」についても同じことが言えます。

 

このように、工事進行基準の3つの要素には企業側の予測が入るために、不正が起きやすいポイントでもあります👓

つまり、意図的に工事契約からの利益を大きく見せたり小さく見せたりしやすいのです。

 

 

計算方法を簡単に見てみよう!

基本の考え方をチェック!

工事全期間を通して発生する収益と費用の合計は、先ほどの3つの要素で出てきた「① 工事契約から得られる収益合計」と「② 工事の遂行によって発生する原価合計」です。

工事進行基準を適用すると、①②のうち工事の進捗に合わせた収益や費用が発生します。

そのため、当期までに発生した収益や原価を求めるには、①と②に「③ 決算日時点での工事の進捗度」を掛ければよいのです😊

 

💫【例】 以下のケースを考えてみましょう!💫

🔹 工事契約から得られる収益合計 …1000万円

🔹 工事の遂行によって発生する原価合計 …700万円

🔹 工事開始後1年目の決算日時点での工事の進捗度 …20%

 

工事開始後1年目の売上高と費用を求めてみましょう✍✨

1年目の売上高:1000万円 × 20% =200万円

1年目の費用 : 700万円 × 20% =140万円

20%分の工事の進捗に合わせて、売上も費用も発生します💡

 

 

工事開始後2年目の決算日時点では、工事の進捗度が50%にまで進んだとします。2年目の売上高と費用を求めてみましょう!

2年目の売上高

:1000万円 × 50% -200万円(1年目までの売上高)=300万円

2年目の費用

:700万円 × 50% -140万円(1年目までの費用)=210万円

ポイントは、前年までの売上高や費用(このケースでは1年目の売上高と費用)を差し引くことです!

こうすることで、その年までに生じた売上高や費用の累計ではなく、その年1年間だけで生じた売上高や費用を求めることができます✨

 

 

工事の進捗度の求め方も押さえちゃおう

ところで、工事の進捗度はどのように求めたらいいでしょうか?

 

工事進捗度を求めるポイントは、きちんと「工事の実態(=実際の進み具合)を表すように計算する」ことです🌟

多くの企業では、原価が発生する進捗度をそのまま工事の進捗度と見なして計算しています(これを、原価比例法といいます)。

 

💫【例】 以下のケースを考えてみましょう!💫

🔹 工事の遂行によって発生する原価合計 …700万円

🔹 工事開始後1年目に実際に発生した原価 …140万円

 

1年目の決算日時点での、工事の進捗度を求めてみましょう😊

 140万円 ÷ 700万円 =0.2 → 20%!

 

このように、工事の全期間を通して発生する原価合計のうち実際に発生した原価の割合を工事進捗度として計算するのです💡

 

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まとめ

1.工事進行基準は、売上高や費用の計上方法の1つ。特徴は、工事の進捗度合いに合わせて売上高や費用を計上していくことである。

2.工事進行基準を適用した売上高や費用の計算には、「工事契約から得られる収益合計」、「工事の遂行によって発生する原価合計」、「決算日時点での工事の進捗度」の3つの要素が必要である。いずれも企業側の予測値であり、それぞれに対して信頼性のある見積もりができなければ工事進行基準は適用できない

3.当期までに発生した売上高と費用を求めるには、「工事契約から得られる収益合計」と「工事の遂行によって発生する原価合計」に「決算日時点での工事の進捗度」を掛ける。

4.「決算日時点での工事の進捗度」を求める方法として、多くの企業は原価比例法(原価の発生度合いを工事の進捗度とみなす)を採用している。

 

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