売上と入金の違いをすっきり解決!答えは売上のタイミングにあり

 

似て非なるもの…それが売上と入金です

この2つが同じ意味であれば、黒字倒産は起こりにくいでしょうし、キャッシュ・フロー計算書の役割の重みも減ることでしょう。

今回は「売上と入金は何が違うのか?」「売上を計上するタイミングとは?」などを解説していきます!さらに、売上のタイミングに絡めた東芝の不正の内容も見てみましょう😊

 

売上計上と入金のタイミングはズレている!

お客様に商品を渡した対価であること、これは売上にも(商品の)入金にも共通している性質です💰

では、この2つの違いとはいったい何なのでしょうか?

 

発生するタイミングが数ヵ月超ズレることも

売上と入金の大きな違いの1つに、それらが発生するタイミングがあります!

「企業の帳簿には売上高が載っているのに、入金はまだされていない」

このようなことは、企業の活動の中で頻繁に起こっています🏢その逆のパターンもしかりです。

 

ズレる理由とは?

このように売上と入金のタイミングがずれる理由は、会計のルールにあります。

会計のルールでは、「お金がいつ入金されるか」に関係なく売上高を認識するタイミングを決めています💡

そのため、お金が入ってきているのに売上高が帳簿に載っていなかったり、反対に、帳簿に売上高が載っているのにお金が入ってきていなかったり…ということが起こるのです。

 

では、一体何を基準に売上高は認識されるのでしょうか?

次のパートで具体的に見ていきましょう😊

 

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いつ、売上が計上されるの?

キホンは商品を渡したとき

売上高は、

🔸 商品をお客様に提供する

🔸 商品と交換に、現金又はそれと同等のモノを受け取る

この2つがそろったタイミングで認識されます。このような売上の認識方法を実現主義と呼びます。

 

たとえば、スーパーマーケットを経営する企業であれば、商品である野菜やお菓子の会計が済まされた時に売上高が認識されます。

現金と同等のモノとは、手形や現預金を受け取る約束(売掛金)のことです。

 

【はじめて学ぶ】実現主義とは?具体例でわかりやすく解説!売掛金との関係もチェック

2018年9月3日

 

 

商品によって売上計上のタイミングは違う

実は、「商品をお客様に提供する」タイミングをいつと考えるかは、商品によって異なります

商品によっては、お客様の手元に届かないうちに売上を計上してしまうものもあるのです😲

 

たとえば日本の企業だと、商品をお客様の手元に渡す前段階である、倉庫から出荷した時点で売上を認識することが多いです🚚(ただし、IFRSでは認められません)

一方、商品をお客様の方でしっかりチェックする必要がある場合は、お客様の検収作業が終わった時点で売上を認識します。

何か月にもわたってサービスを提供する場合は、1か月単位に区切って売上を認識することもあります。

 

商品の製造に何年もかかる場合は?

ビルやプラント、システムといった商品の場合、製造に数ヵ月、長いと年単位の時間を要します。

このような商品の場合、製造の進捗度合いに応じて売上を認識していく方法がとられます✨(工事進行基準

この方法を採用すると、そもそも商品として完成する前に売上の一部が決算書に表示されるんですね💰

 

もちろん、製造期間が長ければ、どんな商品でもこの方法を使えるというわけではありません。

請負契約である、販売代金が合意されている、進捗度合いをしっかりと見積もることができる…などの条件を満たす必要があります!

 

初心者必見!「工事進行基準とは?」をわかりやすく解説します

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売上と入金のズレ具合は決算書にどう表れるの?

実は、決算書を見ると、売上と入金のズレ具合が金額で分かります😊

 

 入金される前に売上を認識している場合は、その対価を受け取る権利として資産の部売掛金が計上されます。

反対に、売上を認識する前に入金された場合は、負債の部前受金が計上されます。

 

売掛金、前受金の残高を見ることで、どの位の金額のズレが生じているかがわかるのです✨

 

【初心者向け】「売掛金とは?」完全マニュアル!意味・仕訳(売上/回収)・未収入金との違いなど

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「前受金とは?」がみるみる分かる!意味・負債のワケ・取り崩しの例もわかりやすく解説

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売上のタイミングに絡んだ東芝の不正とは?

東芝では、「製造の進捗度合いに応じて売上を認識していく方法(工事進行基準)」を使っている商品がありました。

しかし、この方法を使う上での条件の1つ「製造の進捗度合いをしっかりと見積もることができる」を意図的に満たさなかったために、不正が起きてしまったんですね。

簡単に言うと、実際よりも商品の製造が進んでいるように見積もってしまったのです。そうすると、本来認識すべきよりも多くの売上高を決算書に載せることができます

これは、あくまで東芝が行った数々の不正の1つですが、業績の低迷していた東芝はこのようにして少しでも売上を多く見せようとしていたのです。

 

 

損益計算書だけでは経営危機に気づかないワケ

ここまでご紹介したように、多くの企業ではお客様からお金を受け取る前に売上を認識しています💡

そのため、損益計算書に表示されている売上高の中には、まだ入金されていないものも多く含まれているのです。

 

実は、そういった売上高には「お客様の経営状態が悪化して入金されない!」というものが隠れていることがあります💦

 

これはつまり、お金をかけて仕入れや商品の製造をしているのに、その対価が入ってこないことを意味します。

当然、資金繰りに支障が出ます😨

販売先が大口のお得意様であるほど、入金されなかった時のダメージは深刻になるでしょう。最悪の場合、資金が底をつき、倒産してしまいます。

 

 

損益計算書を見る限り黒字で順調なのに、実は資金不足で倒産してしまう…これが黒字倒産です。

企業は商品を販売するだけでなく、その代金を回収するところまで気が抜けないのですね。

 

決算書を見る側も、キャッシュ・フロー計算書で資金の流れを見たり、貸借対照表で財務基盤の安定感をチェックするなどして、損益計算書以外の決算書で資金繰りを確かめることが大切です✨

 

売掛金から入金遅れの兆候をつかむ方法を解説しています(↓)

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まとめ

1.売上高と入金の大きな違いは、「売上高を認識するタイミングと入金されるタイミングが違う」ということがある。

2.売上高が認識されるのは、商品をお客様に提供し、その商品と交換に現金又はそれと同等のモノを受け取ったときである。いつ「商品をお客様に引き渡した」と考えるかは、商品によって異なる。

3.損益計算書の売上高にはまだ入金されていないものも含まれているため、キャッシュ・フロー計算書や貸借対照表を使って資金繰りに問題が無いかチェックすることが大切

 

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