【業種で違う!】売上と営業外収益の区分とは?実例でチェックしよう

 

損益には3つの収益が登場します。

売上高、営業外収益、特別利益

この3つの違い、わかりますか?😊実は、業種によってこれら3つに振り分けられる収益の種類は変わってくるのです!

今回は、業種別の実例もチェックしながら、この3つの収益の違いを理解していきましょう✨

 

まず、3つの収益の意味をチェック

3つの収益の意味をさくっとチェックしちゃいましょう!

 

まず、損益計算書のトップを飾る売上高から見てみましょう。

売上高とは

売上高とは、本業(商売)から得た収益のこと。

たとえば、お花屋さんであれば、お花と引き換えにお客さんから受け取る代金が本業の収益ですね。

 

次に、営業外収益を見てみましょう。

営業外収益とは

営業外収益とは、本業以外の収益であるが、毎年のように発生する収益のこと。

本業ではないものの、普段から生ずるような収益のことをいいます。

お花屋さんの例で言うと、銀行預金から生じた利息がこれにあたりますね。

また、本業の収益を補うために株式投資を行っていたとしたら、この株式から受け取る配当金も営業外収益です。

営業外収益のさらに詳しい解説はこちら(↓)

【具体例つき!】営業外収益と営業外費用とは?特別損益との違いとは?

2017年12月14日

 

最後に特別利益を見てみましょう。

特別利益とは

特別利益とは、臨時・巨額な収益(利益)のこと。

臨時・巨額というワードからも分かるように、普段から生ずるようなレベルの収益ではありません。

お花屋さんの例で言えば、お花の配達に使っていたトラックを買い替える際に、古いトラックを売却して得た利益が特別利益です。

特別利益のさらに詳しい解説はこちら(↓)

【一挙ご紹介!】特別利益と特別損失とは?具体例3選<リストラ・資産売却・災害>で理解しよう

2017年12月16日

 

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業種でこんなに違う!3つの収益の区分とは?

一般的な企業のケース

一般的な企業であれば、3つの収益にはこのようなものが表示されます。

 ● 売上高   → 商品やサービスの対価

 ● 営業外収益 → 受取利息、受取配当金、為替差益

 ● 特別利益  → 固定資産の売却益

特別利益は臨時的な利益であるために、その項目はバラエティに富んでいます。この他、被災時に受け取った保険金や政府から受け取る補助金、取引相手との交渉によって受け取る和解金などが見られます。

 

しかし、業種によってこの区分はいくらでも変わるんですね。

先ほどのお花屋さんの例では、自動車の売却益は特別利益でした。しかし、たとえばトヨタやホンダのように自動車販売を本業とする企業であれば、自動車の販売によって受け取る代金は売上高に振り分けられます。

このように何を本業にするかによって、3つの収益の区分は変わってくるのです。

 

証券会社のケース~カブドットコム証券~

証券会社の本業は、株式売買の仲介や取次などのほか、証券会社自身が株式の売買によって利益を得ることも含まれます。

たとえば、証券会社の1つ、カブドットコム証券の営業収益(売上高に相当)の内訳を見てみましょう。

カブドットコム証券の営業収益(売上高)/2017年3月期

営業収益(総額) 238億円

 ・受入手数料      98億円

 ・トレーディング損益  11億円

 ・金融収益      101億円

 ・その他の売上高    27億円 

受入手数料は、株式売買の仲介等で得た手数料ですね。

最も金額の大きい金融収益には、信用取引において顧客に資金を貸し付けたことで得た利息が含まれています。

また、証券会社自身が株式売買することで得る利益であるトレーディング損益もありますね。

一般的な企業ですと、貸し付けの利息は営業外収益に、株式売却による利益は特別利益に表示されることが多いです。この売上高の内容は、まさに証券会社の特徴をよく表していますね。

 

不動産会社のケース~野村不動産~

続いては不動産会社です。

不動産会社の本業は、住宅を開発して販売収入を得ることや、オフィスビルを建設して賃貸収入を得ることなどですね。

ここで、高級マンション「プラウド」でも有名な野村不動産の売上高の内訳を見てみましょう。

野村不動産の営業収益(売上高)/2017年3月期

営業収益(総額) 5696億円

 ・住宅分譲   3089億円

 ・賃貸      695億円

 ・運営管理    483億円

 ・収益不動産開発 394億円

 ・売買仲介    302億円

(※売上高の大きい順に5つご紹介。有価証券報告書の第2 1【業績等の概要】から集計。)

売上高のうち最も大きい割合を占めているのは建物の販売から得る収益(住宅分譲)です。

一般の企業のケースだと、建物の売却といえば本社ビルや工場を売る場合であり、めったにあることではありません。そのため、建物の売却によって得た利益は特別利益になります。

不動産会社は建物(住宅)の販売を本業にしているために、ここで得る収入が売上高に含まれるのですね。

 

 

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まとめ

1.損益計算書の収益は3つのグループに分けられ、表示される順に売上高、営業外収益、特別利益である。それぞれ、本業の収益普段から生ずるが本業以外の収益臨時・巨額な収益(利益)が計上される。

2.一般的には、売上高には商品・サービスの販売代金、営業外収益には預金・貸付金の利息や株式の配当金、特別利益には建物や機械、土地等の売却益が計上される。

3.3つの収益の区分は、その企業が何を本業にしているかによって変わる

 

【初心者向け】ベネッセの「5つの利益」を読む!損益計算書の見方を学ぼう!

2017年12月22日

 

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