【図解】なぜ東芝&シャープは債務超過を解消できたの?貸借対照表の変化から解消方法を読み解こう

 

債務超過を解消する方法とは?

債務超過とは、

純資産がマイナスの金額になった状態です。

 

その理由はこちら(↓)

【はじめて学ぶ】図解!債務超過とは?簡単な例えでわかりやすく解説

2018.07.06

 

つまり、

債務超過を解消するためには、純資産をプラスの金額に押し戻してあげればよいのです。

 

 

…ということを踏まえて、

まず、債務超過になった企業の純資産がどんな中身になっているかを見てみましょう😊

 

純資産はいくつかの項目から構成されていますが(↓)、メインとなるのは上2つです✨

 ① 株主からの出資金   …資本金、資本剰余金

 ② 今までの利益の蓄積  …利益剰余金

 ③ その他もろもろ    …有価証券の含み益、自己株式など

 

 

債務超過になっている企業の純資産は、こんな状態になっています。

 

このように、今までの利益の蓄積がマイナスの方に突出するあまり、純資産の合計金額もマイナスに引っ張られてしまっているんですね。

 

 

ということは、

債務超過を解消する(=純資産をプラスの金額に押し戻す)ためには、

純資産全体がプラスの金額に回復するまで、純資産を構成するいずれかの項目をプラスの方に底上げすれは良いのです。

 

言うのは簡単、実践するのはとっても難しいのですが(^^;

次のパートから、実際に債務超過に陥った企業がどのように解消していったのかを見ていきます✨

 

 

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債務超過解消策② シャープの例

シャープは、主力の液晶パネル事業が不振に陥ったことなどにより赤字が続き、債務超過に陥ってしまいました。

 

2016年3月末 シャープの純資産

※ シャープ株式会社 有価証券報告書より

赤字の積み重ねによって、今までの利益の蓄積(利益剰余金)が大きくマイナスになってしまったんですね。

 

 

そのシャープは、わずか1年で債務超過を解消させています!

 

2017年3月末

※ シャープ株式会社 有価証券報告書より

 

株主からの出資金(資本金・資本剰余金)がグーンと増えたことで、純資産合計もプラスの金額にまで引っ張り上げられていますね!

 

株主からの出資金が増えたのは、台湾の鴻海精密工業の出資を受け入れたことによるものです。

これによって、シャープは鴻海の子会社となりました。

鴻海から得たお金を使うことで、シャープは今まで抑えていた成長投資を実行し、再び成長路線へ舵を切ろうとしたのです。

 

 

債務超過解消策② 東芝の例

シャープから1年遅れて債務超過におちいった東芝も、見事1年で債務超過を解消させています。

 

東芝の資本の部(※)の変化を図に表してみましょう😊

(※東芝は米国会計基準を採用しているので、「純資産の部」ではなく「資本の部」と表記しています)

 

このように2017年3月末東芝は債務超過におちいってしまいました…

※株式会社東芝 有価証券報告書より

 

複数の事業での業績不振、それらを立て直すための改革費用などが積み重なり、3年連続の赤字を出してしまった年です。

今までの利益の蓄積(利益剰余金)がマイナスに大きく膨らんだことで、資本の部合計もマイナスになってしまいました💦

 

 

それがわずか1年後の2018年3月末には…

※株式会社東芝 有価証券報告書より

 

このように、株主からの出資金(資本金・資本剰余金)、今までの利益の蓄積(利益剰余金)ともに、大きく積み増されました

結果、資本の部合計もプラスの金額に回復していますね✨

 

 

債務超過の解消までの道のりは、決して平坦なものではありませんでした💦

 

当初は、ドル箱であるメモリ事業を売却することで一気に利益剰余金(今までの利益の蓄積)を押し上げる作戦でした(←メモリ事業の売却益によって利益が大きく積み増されるからですね)。

しかし!

そのメモリ事業を2018年3月末までに売却できるかが不透明になったのです(2018年3月末までに債務超過を解消できなければ上場廃止です😨)。

 

 

そこで、海外の投資家から出資をかき集めることで、資本金・資本剰余金(株主からの出資金)を大幅に底上げすることにしました。

今回出資に応じた海外投資家の中には、「モノ言う株主」も存在します。つまり、東芝の経営の自由度が妨げられるおそれもあるのです。

(実際、2018年度に入り、これらの海外投資家から株主還元の要求があったために、自社株買いに7000億円ほどのお金を投じるようです)

この作戦もプラスとマイナスの両面を持っているんですね。

 

 

また、債権や子会社の株式を売却したことで一時的に大きな利益が上乗せされ、2018年3月期の最終利益は+8040億円と、大きく改善しました✨

一度に8000億円以上の利益が積み増されされたことで、利益剰余金(今までの利益の蓄積)はマイナスからプラスの金額に回復したのです。

 

 

こうして、いくつもの痛みも伴う策を投じ、東芝は債務超過の解消を果たしたのです。

とはいえ、真の経営の回復までには、まだ道半ば

財務基盤を復活させるために(つまり、企業を存続させるために)たくさんのモノを失いながらも、ふたたび成長軌道に乗っていけるのか、気が抜けない状況は続きます‥。

 

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まとめ

1.債務超過を解消させるには、純資産の金額をマイナスからプラスに押し戻す必要がある。

2.純資産をプラスの金額に転換させるには、資本金・資本剰余金を底上げする(出資を募るなど)、利益剰余金を押し上げる(業績の回復によって利益を出す、事業や資産売却などによって一時的に大きな利益を獲得するなど)といった方法がある。

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