今回のテーマは、
収益をどのタイミングで認識(計上)するか(=いつの期間の損益計算書に織り込むか)
です✨
…とは限りませんよ、というお話を今回はします😉
収益と費用が発生するタイミングは何で決まる?
売上高や人件費などは、いつの期間の収益・費用として損益計算書に織り込まれているでしょうか?
くま美さん、その通り!😊
確かに基本的には、収益はお金が入ってくることと、費用はお金が出て行くことと連動しています。
ですが注意したいのは、
お金が入るタイミング ≠ 収益を認識するタイミング
お金が出るタイミング ≠ 費用を認識するタイミング
ということです。
収益や費用は、お金が出入りするタイミングに合わせて認識するわけではありません。
(※ 一部の小規模事業者は、現金主義による税金計算等が認められています)
原則として、
🔵 収益 → 実現主義
🔵 費用 → 発生主義
という基準をもとに認識することになります。
※ 費用の場合は、これに加えて考慮するポイントがあるのですが、それは発生主義のページで解説します😊
では、次のパートで実現主義の内容をチェックしていきましょう!
発生主義については、こちら(↓)で解説しています✨
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実現主義とは?売上高を計上するタイミングを理解しよう!
収益の大部分は売上高が占めています。
ここからは、商品やサービスが販売されているところを思い浮かべながら読んでみてくださいね😉
収益は、以下の2つの条件が満たされたときに認識されます。
① お客さんに商品やサービスを提供する
② その代金または同等のモノを受け取る
この条件をパン屋さんに当てはめてみると、
お客さんにパンを渡し、代金を受け取ったときに売上高が認識されます💰
「商品やサービスを提供する」の意味
条件の1つ目は、「お客さんに商品やサービスを提供する」ことです。
実は、ここで言う「商品やサービスを提供する」とは、お客さんに商品を手渡すことだけではありません。
この条件を満たす商品やサービスの提供方法には、商品やサービスの特性に合わせていくつかパターンがあるのです✨
たとえば、
倉庫から発送した時点(出荷基準)のように、お客さんの手に渡る前に売上高を認識することもあれば、
お客さんの検収に合格した時点(検収基準)のように、お客さんに引き渡しただけでは売上高を認識できないこともあります😊
また、
完成までに大がかりな工事が必要な製品の場合は、その作業の進捗に合わせて売上高を認識するケース(工事進行基準)もあります。
この場合は、そもそも製品が完成していなくても、売上高が認識されるんですね💰
「代金と同等のモノ」とは?
②の条件には、「その代金または同等のモノを受け取る」とあります。
実は、この「同等のモノ」には、後日代金をもらう約束も含まれています!
(…といっても、軽い口約束ではダメです!
たとえば、契約書に「商品の引き渡しから○○日後に代金を支払う」と定められていて、なおかつ販売先に支払い能力があるケースのように、代金を受け取ったのとほぼ同じとみなされるような場合です😉)
実現主義と売掛金の関係とは?
このような収益のルールがあるために登場するのが、売掛金です。
売掛金は、商品引き渡した後日において、販売代金を受け取る権利を表す資産ですね(貸借対照表に登場します)。
たとえば、商品引き渡した翌月末までに代金を受け取る契約を結んでいるならば、商品を引き渡した時点で売上高が認識されます。
そして、代金を受け取る権利を売掛金という資産に表しておくのです。
黒字倒産が生まれる理由
このように実現主義に従うと、実際にお金を受け取る前に収益を認識できてしまうことが多々あります。
それが……あるんです!
もちろん、そもそも代金を支払えるのかが危しい取引先に対しては、いくら商品を提供して代金を受け取る約束をしても、売上高を認識することはできません💦
(この場合は、商品の代金と同等のモノを受け取ったとはみなされないためですね)
ところが、現実に、
「突然取引先の経営が悪化して、お金が振り込まれなくなった!😨」
…ということはあります。
それゆえ、利益は出ているのにお金が足りなくなって倒産する、いわゆる黒字倒産をする企業が出てくるのです。
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まとめ
1.収益や費用は、お金が出入りするタイミングに合わせて認識(計上)するわけではない。
2.収益を認識(計上)するためには、①お客さんに商品やサービスを提供する、②その代金または同等のモノを受け取るという2つの条件を満たす必要がある(実現主義)。
3.実現主義の1つ目の条件「お客さんに商品やサービスを提供する」方法は、商品やサービスの特性に合わせていくつかパターンがあり、お客さんに商品を手渡す前や後で収益を認識することもある。
4.実現主義の2つ目の条件「その代金または同等のモノを受け取る」の「同等のモノ」には、後日代金をもらう約束も含まれている(ただし、代金をもらえるという信頼性がある場合に限る)。