鳥貴族、<値上げ後初>の上期業績を読む!売上と利益に与えた影響とは?

 

「全品280円均一」から「全品298円均一」へ。

2017年10月に決行した値上げは、鳥貴族にとっても苦渋の選択でした。

今回は、鳥貴族の2017年度上期(2017年8月~2018年1月)の業績を読んでいきます。果たして、鳥貴族にとって値上げがプラスに働いたのか見てみましょう😊

 

値上げで売上高は増えた?

値上げ後4ヵ月、客足は遠ざかっている?

既存店(開店から1年以上経った店舗)のデータを見てみると、値上げ後は1ヵ月を除いて客数が前年割れしてしまっています。前年の同じ月と比べると、2~7%ほど客数が減っていますね。

このように多少客足が遠のくことは、鳥貴族側も織り込み済みでしょう。

肝心の客単価(顧客1人当たりの注文単価)はというと…値上げ後は各月2~4%ほど増えていますね

商品の単価が6%ほど上がったことを考えると、値上げによってお客さん1人当たりの注文点数が減ってしまったことが考えられます。

 

値上げが売上高に与えた影響とは?

客数が減り、客単価が増える…これらの結果、2017年8月~2018年1月までの既存店の売上高は前期比99.9%となりました!

値上げ前の8~9月の数字も含まれていますが、既存店の売上高については前年と変わらぬ水準の金額を達成したことが分かります。

 

さらに、この上期だけで43店を新規開店するなど、鳥貴族はハイペースで出店を進めています。

そのため、新規出店分も加えた全体の売上高を見ると、前年から18.5%増えているのです。

 

2017年度上期の業績を見るかぎり、売上高については値上げが極端にプラス側ないしマイナス側に働いたわけではないようですね。

 

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値上げで利益は増えた?

利益率に起こった変化とは?

続いて、利益にも着目してみましょう😊

 

前年と営業利益率(※)を比べてみると…

2016年8月~2017年1月 → 4.2%

2017年8月~2018年1月 → 5.4%

と、1.2%ほど上昇しています。

 

(※)営業利益率とは…

 営業利益率(%)= 営業利益 ÷ 売上高 × 100

営業利益は、本業から生み出された利益のことです。売上高から効率的に営業利益を生み出せているほど、営業利益率は高くなります。

【初心者必見!】営業利益率とは?ヤフー、イオンの実例でわかりやすく解説

2017年12月4日

営業利益率が上昇した理由は、粗利率が上がったことにあります。つまり、商品を販売することで得られるおおもとの利益(粗利)を稼ぐ効率が上がったのです。

この変化を生んだのは、やはり値上げであったと思われます。

 

値上げが効果を発揮!

2017年度上半期の鳥貴族の業績(既存店ベース)を表すと…

 売上高(→)× 営業利益率(↑)=営業利益(↑)

前年から横ばいだった既存店の売上高も、利益率が上がればそれだけ利益額が増えます。

利益面では、値上げは効果を発揮したと言えるんですね。

 

積極的な出店戦略を取っている鳥貴族では、そこに新規出店効果がプラスされます。

値上げ+店舗数増加によって、2017年8月~2018年1月の営業利益は前年の1.5倍に成長したのです!

 

鳥貴族の2017年度上半期は、値上げによる商品の販売点数の落ち込みを、これまた値上げによる利益率アップで克服しました。見事、値上げは増益効果を発揮したのです。

 

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まとめ

今回の2017年8月~2018年1月の業績を見る限り、値上げが与えた影響は、売上面では横ばい、利益面ではプラスの効果を発揮したようです。

とはいえ、この期間は長雨や豪雪といった天候不順の影響もあり、客数の減少に値上げがどこまで響いたのかははっきりとしない部分もあります。

一方で、2018年2月の客数(既存店)を見ると、前年比較ベースでさらに落ち込んでしまっていますね。人件費高騰問題もまだまだトンネルの出口が見えない状況です。

鳥貴族の値上げ戦略が果たして吉と出るか凶と出るか、その判断をするにはもう少し様子を見る必要がありそうです。

 

 

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