粗利率が高いと利益も多いの?ドンキホーテの事例から学ぼう!

 

粗利率を学び始めたくま美に1つの疑問が…。

くま美
粗利率が高い方が、たくさん利益を稼げるの?

 

今回は、この疑問にお答えしていきましょう😊

 

同じ条件下で比べれば…〇

くま美のお店を例に、粗利率が高くなると利益にどんな変化があるかを見てみましょう😊

くま美
私、くまフォン(今人気のスマホ)販売店の店長をやってます💗

 

昨年も今年も、同じ数だけくまフォンが売れ、同じ状況(↓)で営業しました。

 昨年と今年の状況(1年あたり)

 ● 売上高 1000万円

 ● くまフォンの仕入代(=売上原価)以外の費用 100万円

  ※ 売上高以外の収益はありません。

 

ただし、昨年と今年で違うところが1つあります。

それは…粗利率が上がったこと

 

 粗利率

 ● 昨年 30%

   ↓

 ● 今年 50%

くま美
今年はくまフォンの仕入代を抑えられたから、粗利率もアップしたの!

 

そうすると、計算される粗利は…

 粗利

 ● 昨年 売上高1000万円 × 粗利率30% = 300万円

   ↓

 ● 今年 売上高1000万円 × 粗利率50% = 500万円

と、粗利率に比例して、今年は増えていますね

 

売上原価以外の費用は昨年も今年も同じですので、

これらの費用を差し引いた利益もやはり…

 売上原価以外の費用を差し引いた後の利益

 ● 昨年 粗利300万円-その他の費用100万円=200万円

   ↓

 ● 今年 粗利500万円-その他の費用100万円=400万円

今年の方が大きくなっていますね😊

 

このように、「売上高・その他の費用の金額が変わらない」という条件の下では、

粗利率が高くなるほど利益も増えていきます

 

しかし、この条件が崩れると、必ずしも「粗利率が高い=利益も多い」とは言えないのです。

その代表例として、2つのケースをご紹介します✨

 

 

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販売量が変化したケースでは ×

「驚安の殿堂」というキャッチフレーズで有名なドンキホーテ

お求めやすいお値段で日用雑貨品をぎっしり揃えた量販店です。

 

最近、ドンキホーテの粗利率が下がってきているのです!

 

 ドンキホーテの粗利率

 ● 2016年6月期:26.6

    ↓

 ● 2017年6月期:26.4

 ※2018年6月期はさらに下がる見込み

 

にも関わらず!利益は増えているんです!

 

 ドンキホーテの利益

 ● 2016年6月期:粗利2018億円、当期純利益249億円

    ↓

 ● 2017年6月期:粗利2185億円、当期純利益330億円

 ※2018年6月期はさらに増え、最高益を更新する見込み

 

くま美
な、なぜ……!?

 

粗利率と利益額が反対の動きをしている理由、

それは…

どんどん…

 

販売量が拡大しているからです。

 

 

実は、粗利率の低下はドンキホーテの作戦の1つ。

★ドンキホーテの作戦★

 粗利を減らして商品の販売価格を下げる(粗利率を下げる

    ↓

 商品の安さに魅かれて、お客さんがたくさん商品を買う

    ↓

 販売点数を積み上げることで、結果として利益総額を増やす

 

 

この作戦を簡単な例に置き換えてみましょう😊

 

 

1個あたり粗利50円稼げる商品を100個売ると…

 ⇒ 粗利の総額は5000円(50円×100個)になる。

    ↓

    ↓ この商品を値下げすると…

     ↓

1個あたり粗利40円しか稼げなくなるものの、その商品が150個売れれば…

 ⇒粗利の総額は6000円(40円×150個)にまで増やすことができる。

 

このように、商品1個当たりの粗利が小さくなっても、量を稼ぐことができれば、結果的に粗利の総額を増やすことができるのです✨

 

 

ただし!この作戦が必ずしも成功するとは限りません(販売量をうまく稼げないと、利益が減るだけになってしまいます💦)。

 

ドンキホーテの場合は、手を緩めることなく食品と日用品の値下げを徹底しました⚡

その結果!節約志向のしみ込んだ消費者のハートをグッとつかみ、近隣のスーパーからも顧客を吸い上げることに成功したのです。

 

 

このように売上高が大きく変動している状況では、粗利率が下がったからといって利益総額も減っているとは限りません

同じように、粗利率が上がったからといって利益総額が増えるとも限らないのです。

 

 

その他の費用が増えると ×

「粗利率が高い=利益も多い」とならないもう1つのケースは、その他の費用が増えたときです😲

 

そもそも粗利とは…

 粗利 = 売上高 - 売上原価

このように、売上高から売上原価(商品の仕入代や製造代)を差し引いて残った金額のことです。

 

そして、この粗利からさらにその他の費用が差し引かれていき、最終的に残った金額が企業の手元に残る利益です。

 

その他の費用とは、

たとえば

 ● 広告宣伝費

 ● 店員さん、本社で管理活動をする従業員さんへの給料・賞与

 ● 店舗や事務所の賃借料、減価償却費

…などなど

があります。

 

たとえ粗利率が高くなったとしても…

 ● 新製品のCMにドーンとお金をつぎ込んでいたり、

 ● 新しい店舗や工場の先行投資にお金がかかっていたり、

ということがあると、粗利から差し引かれるその他の費用が大きくなり、結果として残った利益が減ってしまうことだってあるのです💦

 

このように、粗利率とは関係ないところで、その他の費用は増えたり減ったりします。

そのため、粗利率と利益額は、バラバラの動きをすることがあるのですね。

 

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まとめ

1.売上高やその他の費用が一定という条件下では、粗利率が高くなると利益も増える。

2.売上高が大きく変動している状況下では、粗利率が高くなったからといって、利益も増えるとは限らない。

3.その他の費用が増えている状況下では、粗利率が高くなったからといって、利益も増えるとは限らない。

 

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