くま美さんは、とある企業の決算書を熱心に眺めています。
…と思ったら、こちらを見ましたね。何かに気付いたようです😊
実はこのような現象は、決してめずらしいことではありません!
今回は、減価償却費が急増する意味について迫ってみましょう✨
減価償却費の金額を知る方法については、こちらで(↓)解説しています🎵
減価償却費が増える理由は圧倒的にこれ!
まずは、減価償却費が急増する定番パターンについてご紹介します😊
それがこちら!ドドン!
大きな設備投資が行われたとき
です!
大きな工場を建設したり、テーマパークを作ったりしたときには、一気に減価償却費が増える傾向にあります。
村田製作所の減価償却費が増えた例
村田製作所にも、減価償却費がポンッと増えた年があります。
🔹村田製作所の業績(一部抜粋)
2017年3月期 | 2018年3月期 | |
---|---|---|
売上高 | 11,355 | 13,718 |
営業利益 | 2,012 | 1,621 |
減価償却費 | 1,135 | 1,416 |
● 株式会社村田製作所の有価証券報告書(2018年3月期)より
2017年3月期と比べると、2018年3月期の減価償却費は1.2倍以上に増えています!
実は、この年の営業利益率が下がった原因の一つが減価償却費なのです😢(2017年3月期:18%→2018年3月期:12%)
この年、村田製作所は新製品の投入を推し進めていました✨
新製品を作るための建物や生産設備が増えたために、固定資産の減価償却費が膨れたのです。
別記事(↓)では、オリエンタルランドがディズニーシーを建設した時の減価償却費の変化を解説しています😊
こちらでは、減価償却費が増えた” その後 ”の展開についてもご紹介しています。
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そのほかの原因とは?
では、もう一例ご紹介しましょう😊
こちらのソフトバンクの減価償却費の変化を見てください✨
🔹ソフトバンクグループの業績(一部抜粋)
2013年3月期 | 2014年3月期 | |
---|---|---|
売上高 | 32,025 | 66,666 |
営業利益 | 7,993 | 10,853 |
減価償却費及び償却費 | 3,551 | 8,999 |
● ソフトバンクグループ株式会社の有価証券報告書(2014年3月期)より
ここでのポイントは、減価償却費だけでなく、他の項目の数字も大きく増えていることです。
上の表にあるような売上高や利益はもちろんのこと、棚卸資産や有利子負債も一気に膨れ上がっています!
実は、2014年3月期は、ソフトバンクがアメリカの携帯電話事業会社であるスプリントを買収した年なのです。
2兆円という巨額な買収価格に注目が集まったことは、記憶に新しいですね✨
スプリントを買収したことで、ソフトバンクは、8000億円近い通信設備だけでなく、顧客基盤やソフトウェアといった数千億円単位の無形資産までもを自社に取り込んだのです。
こうして、減価償却をする対象が一気に膨れ上がったのですね😲
このように、豊富な固定資産を抱える企業を買収し取り込むと、減価償却費はグンッと増えます。
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まとめ
1.何らかの理由で固定資産(減価償却を行う対象)が急増すると、減価償却費が一度に膨れ上がる。
2.減価償却費が急に増える原因として、背景に大きな設備投資があることが多い。また、固定資産を豊富に抱える企業を買収する時も、一気に減価償却費が膨れ上がる。