固定資産にはどんなものが含まれるのでしょうか?✨
固定資産の具体的な種類、業種ごとの違いをご紹介します!
まず、固定資産の意味とは?
決算書では、「企業のお金を増やすことに対してプラスに働くもの」が資産に含まれます。
さらに、資産はあるルールに沿って、流動資産と固定資産という2つのグループに分けられるのです。
そのルールとは…
★ 商売のサイクルの中で生まれるもの
★ 1年以内にお金に変わるもの
上記のいずれかに当てはまるものは流動資産。それ以外は固定資産。
というものです。
固定資産のイメージとしては、長い期間(1年以上)使う資産です😊
こちらでは、流動資産と固定資産の違いをディズニーを例により詳しく解説しています(↓)
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固定資産の種類をご紹介!
固定資産は、さらに3つのグループに分けることができます。貸借対照表でも、この3つのグループに分けて表示されていますね。
表示される順番に
1.有形固定資産
2.無形固定資産
3.投資その他の資産
です。
順番に解説していきますね😊
形が分かる有形固定資産
まず、一番初めに登場するのは有形固定資産です。これが一番イメージしやすいと思います。
企業が商売するにあたって長い期間使われ、かつ、目に見える資産です。
定番の項目としては、建物、土地、機械装置、建設仮勘定といったものがあります。本社ビル、工場、店舗などに使われる土地、建物、機械などがここに含まれます。建設仮勘定には、現在建設中の有形固定資産が含まれています。
目には見えない無形固定資産
無形固定資産は、その名の通り目に見えない資産です。
無形固定資産の頻出項目は、ソフトウェアとのれんです。
ソフトウェアは社内の業務処理に使うものも含むため、多かれ少なかれ保有している企業が多いです。
のれんとは、たとえば会社を買収するときに、その会社のブランドイメージや信用力といった目に見えない価値に対して充てられた買収価格のことをいいます。
いずれも、企業の業務遂行にプラスに働くと考えられることから資産に含まれているのです。
いずれにも含まれない投資その他の資産
投資その他の資産とは、1年以上使い続ける資産のうち、有形固定資産にも、無形固定資産にも含まれないものです。
名前に「投資」と付いている通り、投資関連の資産はここに含まれます。たとえば、投資有価証券や長期貸付金です。配当や利息を受け取ることで、本業の収入を補うことができますね。
その他代表的なのは、敷金、保証金、繰延税金資産などです。
敷金や保証金は、店舗などを借りたときに預けるお金です。返却時に戻ってくることから、資産に含まれているのです。
繰延税金資産はちょっと特殊な資産ですが、将来の税金を減らす効果を表す資産です。詳しくは、こちらで解説しています(↓)
このように、本業に直接関係ないものも含め、その他の様々な固定資産を含んでいるのが投資その他の資産なのです。
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企業別に見る固定資産の違いとは?
ここで、企業によって固定資産の内容にどんな違いがあるかを見てみましょう!
固定資産を見ただけでも、業種の特徴がよく表れていますよ😊
比較する企業は、
● 明治ホールディングス(きのこの山、アポロ)
● ペッパーフードサービス(いきなり!ステーキ、ペッパーランチ)
● カカクコム(食べログ、価格.com)
(※カッコ内は代表商品・店)
です。
3つのグループの比率の違いとは?
固定資産の3つのグループ(有形固定資産・無形固定資産・投資その他の資産)の比率には、業種によってどのような違いがあるのでしょうか?
有形固定資産:無形固定資産:投資その他の資産
明治ホールディングス → 14:1:4
ペッパーフードサービス → 33:1:16
カカクコム → 0.4:1:0.9
※2017年3月末時点の数字により計算(ペッパーフードサービスのみ2016年12月末)
比較しやすいように、無形固定資産の金額を1とした場合の比率を計算してみました。
3つの企業の比率を比べてみると、ペッパーフードサービスは有形固定資産の割合が大きい一方で、カカクコムは無形固定資産の割合が大きいことが分かります。
ペッパーフードサービスは店舗展開型事業の特徴が表れる
ペッパーフードサービスの有形固定資産を膨らませているのは、「建物及び構築物」という項目です。固定資産全体の半分以上がこの項目で占められているほどです。
ペッパーフードサービスは、全国に「いきなり!ステーキ」や「ペッパーランチ」などのレストランを展開しています。レストラン開店に当たって設置した設備や内装工事費用などが、この項目に含まれているのです。
また、これも店舗展開型企業の特徴ですが、投資その他の資産のうち「敷金及び保証金」が占める割合が大きくなっています。ペッパーフードサービスは投資資産をあまり持たないこともあり、投資その他の資産の9割近くを「敷金及び保証金」が占めているのです。
これは店舗を構えない他の2つの企業とは異なる点ですね。
カカクコムはソフトウェアが無くては始まらない!
ペッパーフードサービスが店舗無しには営業できないように、ネットを通じて商売を行うカカクコムはサーバーが無くては始まりません。
カカクコムの無形固定資産の多くは、「ソフトウェア」で占められています。ここには、サーバーで使用するソフトウェアが含まれているのです。そのため、他の企業と比べて無形固定資産の割合が大きくなっているのですね。
その一方で、商品を作るための機械や工場を必要とせず、さらに店舗を使わずに商売ができるために、相対的に有形固定資産が小さくなっています。
明治が持つ全国の工場は有形固定資産に
3つの企業のうち、最も有形固定資産の割合が大きいのが明治ホールディングスです。
明治は、あまたの種類の商品を作るために全国各地に工場を持っています。そのため、工場を表す「建物及び構築物」や「土地」、その中で使う「機械装置及び運搬具」の金額が大きいのですね。
事業形態の特徴が固定資産に表れる
このように、固定資産を見ただけでも企業ごとの特徴がよく出ていますね。商品を店舗を通じて販売するのか、それともネット経由なのか、商品製造に機械を使うか、などなど…。
他の企業を見てみても、たとえばANAの固定資産には「航空機」が、NTTドコモの固定資産には「無線通信設備」が登場するなど、それぞれの業種特性が表れています。
また、のれんの金額を見ることで、どの程度M&Aに力を入れているかもわかりますよ。
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まとめ
1.固定資産は、資産のうち「商売のサイクルの中で生まれるもの」「1年以内にお金に変わるもの」のいずれにも当てはならないものである。
2.固定資産は、有形固定資産・無形固定資産・投資その他の資産の3つのグループに分けられる。
3.固定資産には、企業ごとの事業形態の特徴が表れやすい。