おっ、くま美さんは大きな決断をしたようですね😊
では、今年度のくま美さんの会社の決算書には、有価証券売却益と有価証券売却損のどちらが出てきそうですか?
そして、その金額はいくらになりそうですか?💰
ということで、これから有価証券売却益とは何たるかを学んでいきましょう✨
有価証券売却益とは?どうやって計算するの?
有価証券を売却すると、多くの場合、損益計算書には有価証券売却益と有価証券売却損のどちらかが織り込まれます。
…とは、限らないんですね😊
では、くま美さんの会社を例に、有価証券売却益の正体を明かしていきましょう✨
有価証券売却益の意味とは?その求め方は?
くまフォンを販売するくま美さんの会社は、50万円で購入した有価証券を持っています。
そして、その有価証券を80万円で売却しました👛
売却額80万円 - 購入額50万円 = 30万円
このように、有価証券の売買によって、結果的に30万円トクしたことが分かります😉
この30万円が有価証券売却益です✨
このような有価証券の購入→売却を通して、トクをしたか損をしたかによって、損益計算書に織り込まれる損益が変わってくるのです。
🔹有価証券の購入・売却を通して結果的にトクをした(お金が増える)場合(くま美の会社のケース)
→お金が増える分だけ有価証券売却益(※)という利益が生ずる
🔹有価証券の購入・売却を通して結果的に損をした(お金が減る)場合(売却額が購入額を下回るケース)
→お金が減る分だけ有価証券売却損(※)という損失が生ずる
(※)長期で保有している投資有価証券の場合は、投資有価証券売却益、投資有価証券売却損と呼びます。
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有価証券の売却によって得た収入はどこでわかる?
条件付きになりますが、キャッシュ・フロー計算書から知ることができますよ😊
キャッシュ・フロー計算書の投資活動によるキャッシュ・フローの中に、「有価証券(投資有価証券)の売却による収入」という項目があります。
ここには、有価証券(投資有価証券)の売却によって、その年度に入ってきた売却収入の合計金額が記載されています✨
(※ 個々の有価証券売却による収入額ではなく、その年度を通した合計金額です)
ただし、キャッシュ・フロー計算書に記載されるのは、有価証券の売却取引がなされた年ではなく、実際にキャッシュが入ってきた年です。
そのため、売却代金が後払いとなった場合は、損益計算書に有価証券売価益が載っているのに、キャッシュ・フロー計算書には売却収入が織り込まれていない、ということもありえます😨
営業外収益と特別利益のどちらに表示される?
有価証券売却益の表示場所とは?
有価証券を売買するような商売をしていなければ、「有価証券を売る」ことは本業とは関係のない活動です。
つまり、
有価証券売却益は、本業以外の活動から生まれた収益を表す営業外収益か特別利益に含まれることになります。
営業外収益と特別利益の違いは、こちら✨(↓)
そのため、
頻繁に売買が行われる性格の有価証券(売買によって利益を得る目的で購入した有価証券)を売却した時は営業外収益に含まれます。
その一方で、
通常はないような大きい金額の売却益が生じたり、長期で保有しているような有価証券(投資有価証券ですね)を売却したりした時は特別利益に含まれます。
投資有価証券売却益を計上するオンキヨー
有価証券売却益といえば、
オーディオ機器やヘッドフォンを製造しているオンキヨー(ONKYO)が投資有価証券売却益5.8億円を特別利益に計上することを発表しました(2018年8月28日付)。
売却する投資有価証券は、オンキヨーと共同で製品開発をしている企業の株式です。
つまり、長期的に保有する目的で購入した投資有価証券と考えらえられます💡
このような売却益の性格と、オンキヨーの利益へのインパクトの大きさから、特別利益に含まれるようですね😊
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まとめ
1.有価証券売却益とは、有価証券の購入・売却を通して結果的にトクをした(お金が増える)場合に生ずる利益である。
2.有価証券売却益は、有価証券の売却によって得られる収入額を表しているのではなく、購入・売却を通して結果的に増えるお金(有価証券の売却額-購入額)を表す。
3.有価証券売却益は、頻繁に売買が行われる性格の有価証券を売却した場合は営業外収益に、通常ないような大きい金額の売却益が生じたり、長期で保有する目的の有価証券を売却したりした時は特別利益に含まれる。