売上高販管費率の悪化パターンまとめ。ニトリの事例でわかりやすく解説します!

 

売上高販管費率は、販売費及び一般管理費(以下、販管費)を使っていかに効率的に売上高を稼いでいるかを教えてくれる指標です。

 

売上高販管費率の計算式

 売上高販管費率(%)= 販売費及び一般管理費 ÷ 売上高 × 100

【初心者必見】売上高販管費率とは?計算式、業種別の特徴を解説します。

2018.04.06

売上高のわりにたくさんの販管費を使ってしまうと、その分利益も抑えられてしまいます。

この場合は、販管費の使い方が非効率になっていると言え、売上高販管費率が高くなります

今回は、そんな売上高販管費率が悪化する事例(高くなる事例)について、ご紹介します!

 

売上高販管費率が改善する事例についてはこちら(↓)

売上高販管費率の改善パターンまとめ。実例でわかりやすく解説します!

2018.04.07

 

売上高販管費率の悪化パターンとは?

売上高販管費率が悪化するパターンとしては、主に以下のような事例が見られます。

 ● 売上高が減る

 ● 先行投資が大きい

 ● 広告宣伝費が増える

 ● 物流費が上がる

それぞれの事象がなぜ売上高販管費率を高めてしまうのか、詳しく見ていきましょう!

 

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売上高が減る

販管費には、本社の間接部門の人件費から、広告費、店舗の減価償却費や光熱費まで、多種多様な項目が含まれます。

そして、このうちの多くの割合を固定費(売上高の増減に関わらず、一定の金額だけ発生する費用)が占めます。

つまり、販管費の中には、たとえ売上高が減っても、変わらずに発生し続ける費用が多いのです。

たとえば、店舗や事務所の賃借料、社員さんの基本給などは、売れ行きが悪い年でも決まった金額を支払わなくてはなりませんね。

 

このような理由から、売上高が減ると、売上高販管費率が高まる傾向にあるのです。

反対に、販売量が増えると、売上高販管費率が低下する傾向にあります。

 

先行投資が大きい

先行投資とは、将来の収益獲得を狙い、先んじてコストをかけることです。

身近な例では、資格獲得に向けて専門学校や教材に資金を投じることも先行投資と言えます😊うまくいけば、その資格を生かしてより大きな可能性を開くことができるかもしれませんね。

 

企業に当てはめるとどうなるでしょうか?

新規出店する場合は、オープン前からかかる店舗の人件費や賃借料、店舗内に設置する設備額、新店オープンの宣伝費などが先行投資に含まれます。

新たな工場や物流センターを建てた時は、そこで働く人件費のほかに、建物や機械の減価償却費などが先行して負担になりがちです。

新商品を発売する際は、新商品周知のための広告宣伝費や販促費に加えて、開発費がかかります。

 

これらの投資はすべて、将来の売上高増大や経費の節減などを狙って実行されるものです。

一方で、投資の効果が出始めるまでには、資金を投じてからタイムラグがあるのが普通です。

そのため、投資の効果を十分に享受する前段階では、一時的に売上高に対して販管費が重くなりやすい(=売上高販管費率が高まりやすい)のです。

 

広告宣伝費が増える

先ほどの「先行投資が大きい」パターンでも、広告宣伝費が増えるケースが出てきましたね。

新商品発売の時だけでなく、売上の調子が下がったときにも広告宣伝費が増えることがあります。

CMなどを通して企業や商品の露出を高めることで、再び販売を軌道に乗せようとするのです。

 

しかし、販売不振の根本的な問題を解決できていない場合は(たとえば、競合他社がより良い商品を出しているケース)、広告宣伝コストに見合った収益を得られないこともままあります

そうなれば、売上高に対して広告宣伝費が大きくなりすぎてしまい、売上高販管費率が上昇する一因となってしまうのです。

 

物流費が上がる

2017年、宅配業界最大手のヤマトが値上げに踏み切ったことが話題になりました。これを機に、他の宅配業者にも値上げの動きが広がっていきましたね

この頃から、各企業で物流費の上昇が利益を押さえつける構図が見られるようになってきました。

 

通常、運送費などの物流費は販管費の中に含まれます。

そのため、売上高の向上に貢献するわけではない単なる物流費の値上げは、売上高販管費率を高める原因となってしまうのです。

 

 

売上が増えても売上高販管費率は悪化…ニトリの事例を見てみよう

ニトリ2018年2月期の売上高(5720億円)は、前年よりも11.5%ジャンプアップしました。これで30期連続の増収増益だそうです!

店舗数も増えますます追い風が吹くニトリですが、その営業利益率を見てみると、実は前年から0.4%下がってしまっています

この理由が、売上高販管費率の上昇(悪化)にあるのです。

 

ニトリの売上高販管費率の変化とは?

ニトリの売上高販管費率

 2017年2月期 … 37.5%

   

 2018年2月期 … 38.7%

この1年間で売上高販管費率が1%以上も上がってしまっていますね。

 

ニトリは、店舗網を国内外に拡大させ、顧客との接点を増やすことで業績を伸ばしてきました。

その好調な業績も追い風に、2018年2月期には今まで以上に多くの新店をオープンさせたのです。

2018年2月期の販管費には、そんなニトリの行動がよく表れています。

 

では、ここから、ニトリの販管費をもっと詳しく掘り下げてみましょう😊

 

ニトリの売上高販管費率が悪化した理由とは?

こちら(↓)は、ニトリの売上高販管費率を販管費の項目別に分解(※販管費の項目別に売上高比率を計算)したものです。

ニトリの売上高販管費率の項目別変化(2018年2月期/対前年比)

 2017年2月期 2018年2月期
売上高人件費率11.5%11.2%- 0.2%
売上高賃借料率5.5%5.9%+ 0.4%
売上高発送配達費率4.6%4.6%+ 0.0%
売上高広告宣伝費率2.9%2.9%+ 0.0%
売上高業務委託費率2.1%2.5%+ 0.3%
売上高展示什器費率0.8%1.4%+ 0.6%
その他10.1%10.3%+ 0.1%
合計37.5%38.7%+ 1.2%
※2018年2月期 決算説明会資料・FACTBOOKより

 

ニトリの積極的な出店が販管費全体を増加方向へ導いています。その中でも、特に賃借料と展示什器費の売上高比率の高まりが顕著であることが分かります。

 

売上高販管費率を押し上げた賃借料とは店舗の賃料のこと、展示什器費とはディスプレイ棚等の設備費用のことです。

これらは、新店がオープンする前からかかってくる費用です。つまり、先行投資です。

このように新規出店の効果が売上高として発現する前から費用が生ずるために、旺盛な新規出店を行った2018年2月期は、売上高に比して賃借料や展示什器費の割合が高まったのです。

 

2019年2月期も引き続き、積極的な出店戦略を展開していくようです。もしかしたら、売上高販管費率が高まる傾向も続くかもしれませんね。

 

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まとめ

1.売上高販管費率が悪化(上昇)するパターンとして、売上高が減る先行投資が大きい広告宣伝費が増える物流費が上がるといった事例が見られる。

2.販売量の減少は、販管費の多くの項目(固定費)に対して売上高比率を押し上げる働きをする。

3.先行投資をすると、投資の成果(売上高)を十分に得る前の段階で、人件費、賃借料、広告宣伝費、減価償却費といった費用がかってくるため、一時的に売上高に対して販管費の負担が増える傾向にある。

 

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