みるみる分かる賞与引当金!基本から計算方法まで【シャープ賞与カット事例つき】

 

賞与引当金は、ほとんどの企業の決算書に載っているであろうかなりメジャーな引当金です😊

「決算書に表示されている金額の意味とは?」「計算方法とは?」

今回は、このような賞与引当金のキホンをわかりやすく解説していきます。さらに、シャープの賞与引当金から、ボーナスカットなどの動きも読み解いていきましょう!

 

知っておきたい!賞与引当金の意味とは?

賞与引当金を一言で表すと、「従業員に対して、近い将来に支払うであろう賞与額」です。以下で、もう少し詳しく説明していきますね😊

 

賞与引当金は、引当金の1つです。

引当金とは、

★ 将来において、とある支出が発生する可能性が高いこと

★ その支出の原因がすでに生じていること

このような場合に、計上しなくてはならない負債のことです。将来高い確率で支出(費用)が発生することを表しているんですね。

引当金の詳しい解説はこちら(↓)

【初心者必見】「引当金とは?」をわかりやすく解説!意味・要件・種類などを簡単に理解しよう

2017.11.10

 

賞与引当金をこの条件に当てはめて言いかえると、

★ 数か月以内に、従業員に賞与を支払う可能性が高い

★ すでに、その賞与に対応する勤務を従業員がしている

となります。

多くの企業は、年に2回(ex.6月と12月)程度、賞与を支給します。そして、支給されるそれぞれの賞与には、対象となる勤務期間が設定されていることが多いです。

たとえば、「12月から5月まで勤務したら、その期間に対応する賞与を6月に支給する」というようにですね✨

つまり、決算書に表示されている賞与引当金は、まだ支給されていないものの、すでにその金額に対応する勤務を従業員が行っているのです。

 

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賞与引当金は「いつ」支給される賞与を表すか

先ほどご紹介したように、賞与引当金は「従業員が勤務した期間」に対応する金額だけ計上されます。

そのため、貸借対照表に表示されている賞与引当金は、一般的にその期末日から一番近い賞与支給日に支給される分を表します。

その具体的な理由については、次のパートでご紹介しますね。

 

 

賞与引当金の計算方法を簡単な例で見てみよう

たとえば、6月と12月に賞与を支給している3月決算(※)の企業のケースを考えてみます。

(※)3月決算:4月から翌年3月までの1年間の業績が決算書にまとめられる。日本の多くの企業が、3月決算です。

この企業の賞与にはこのようなルールがあります。

 ● 6月支給分の賞与に対応する勤務期間は12月~5月(6ヵ月)

 ● 12月支給分の賞与に対応する勤務期間は6月~11月(6ヵ月)

 

3月末の決算においては、この時点ですでに勤務が終わっている期間に対応する賞与引当金を計算することになります。

この年の6月に支給される賞与については、12月~3月の4か月分の勤務は終わっていますから、この4か月分の賞与額を賞与引当金とするのです。

6月に支給される賞与が満額で1200万円となるのであれば、対象となる勤務期間(6か月)のうち勤務の終わった4か月にあたる金額(1200万円×(4か月/6か月)=800万円)が賞与引当金となるのですね。

この年の12月に支給される賞与については、対象となる期間6月~11月の勤務はまだ行われていません。そのため、12月支給分の賞与引当金は計上しないことになります。

 

このように対象となる期間の勤務が終わっていないと賞与引当金は計上されないため、決算書に表示されている賞与引当金は近い将来(大体半年以内)に支給される賞与を示すことが多いのです。

 

 

シャープの決算書で賞与カット&賞与アップがわかる!

シャープは液晶パネル事業などが業績不振に陥り、経営状態が大きく悪化しました。2016年に台湾の鴻海精密工業の傘下に入り、再び成長路線に乗るべく奮闘しているところです。

そんなシャープの従業員に支給されるボーナスは、シャープの経営状態に合わせて大きく移り変わりました。その様子を、賞与引当金を追って観察してみましょう!

 

営業赤字に陥った2015年の賞与は?

2015年3月期はふたたび赤字に陥った年でした。それも、商売活動から生まれた利益を表す営業利益が赤字となってしまったのです。 

この年の決算書に載っている賞与引当金を前年と比較してみましょう。

 ● 2014年3月期 … 317億円

 ● 2015年3月期 … 152億円

従業員数はほとんど変わっていないので、シャープ側の支給水準が下がったことが推測されます。

実際に、2015年は労働組合の要求額のうち半分しか賞与が支給されなかったようです。賞与カットによって、少しでも人件費を減らし業績を上向かせようとしていたのですね。

 

経営陣交代、営業黒字に復活…2017年の賞与は?

次に、鴻海精密工業の傘下に入り、営業黒字に転換した2017年の賞与引当金を前年と比較してみましょう。

 ● 2016年3月期 … 126億円

 ● 2017年3月期 … 211億円

実は2016年から2017年にかけて従業員数は減っているにもかかわらず、賞与引当金の金額は1.6倍以上に増えています!

鴻海精密工業の傘下に入ったことで、経営陣も代わりました。新経営陣の方針が、賞与支給額に強く反映されていたのです(個々の従業員の貢献度が賞与支給額に大きく反映されたようです)。

2016年の賞与は給与の2か月分程度でしたが、新方針が反映された2017年の賞与は平均4か月分へと引き上げられました。

このように業績や経営陣の変更などによって、賞与の金額も大きく変化しているのですね。

 

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まとめ

1.賞与引当金とは、「従業員に対して、近い将来に支払うであろう賞与額」のことである。

2.賞与引当金は従業員が勤務した期間に対応する賞与の金額分だけ計上される。

3.従業員数の変化、業績の変動、経営陣の交代などの影響を受ける。

 

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