着々と工事が進められているリニア中央新幹線🚅✨
運営するJR東海は、この工事でたくさんのお金を支払っています。
ここで、問題です😊
決算書では、リニア中央新幹線の工事で支払ったお金は、まず、何に変わるでしょうか?
ブブーッ!
というわけで、今回は
リニア中央新幹線の工事を進めることで、決算書がどのように変化するのかを見ていきましょう😊
支払ったお金は…別の資産に変わる!?
工事で支払ったお金は○○になる!
実は、工事代金を支払っただけでは、そのお金は費用にはならないのです。
そうです😊
その減ったお金は、別の資産になるんです。
どんな資産に変わるの?
その別の資産の正体は、建設仮勘定です✨
建設仮勘定とは、完成する前の有形固定資産(建物、機械装置など)のことです。
決算書では、有形固定資産グループの項目の1つとして表示されますね。
このように、
お金(流動資産)から建設仮勘定(固定資産)という資産区分の変更はありますが、
資産全体の金額は変わらないのです✨
JR東海の決算書の数字を見てみましょう😊
たとえば、
リニア中央新幹線建設に使う資金を管理している「中央新幹線建設資金管理信託(*)」勘定の残高は…
(*)リニア中央新幹線の建設のために借り入れたお金を管理している信託。決算書では流動資産に表示される。
2018年3月末:2兆8409億円
→ 2019年3月末:2兆6705億円
このように、1700億円ほど減っています(自己資金でも支払いは行われます)。
数千億円規模で、工事のための支払いがあったことが分かりますね👛
一方、「建設仮勘定」の残高は…
2018年3月末:4012億円
→ 2019年3月末:6163億円
と、2151億円増えていますね。
この中には、リニア中央新幹線の建設以外のものも含まれていますが、
やはりリニア中央新幹線の影響が大きく、建設仮勘定の残高もかなり膨らんできています🎈
工事のために支払われたお金(流動資産)が、建設仮勘定(固定資産)に変わっているのです✨
(**) 数字は、東海旅客鉄道株式会社・平成31年3月期有価証券報告書より
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なぜ支払ったお金が資産になるの?
では、ここで資産の意味を考えてみましょう!
資産には、現金、建物のほかにも、
売掛金やソフトウェア、たな卸資産など多種多様なものが含まれています。
このような、資産の項目に共通する性質は、
将来、会社のお金を増やす
ということです✨
リニア中央新幹線の工事のために支払われたお金は、
駅設備やトンネルなどの建設に使われます。
これらの設備は、将来、リニア中央新幹線が開業した後に売上に貢献しますよね😊
そのため、
JR東海が支払った工事代金分だけ、建設仮勘定(=建設されている設備)として固定資産に計上するのです✨
(完成した後、「建設仮勘定」勘定から、同じく有形固定資産グループの適切な勘定科目(「建物及び構築物」や「機械装置」等)に振り替えられます)
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費用になるのはいつ?
いえいえ、支払った工事代金は後々、ちゃーんと費用になるんですよ😊
それは、リニア中央新幹線が開業し、建設された設備が実際に使われ始めた時からです。
会計の世界では、
費用は、購入したモノやサービスを使った時に発生すると考えます。
(この考え方が、発生主義ですね)
そのため、リニア中央新幹線建設のために支払った代金は、
建設された設備が使われる期間にわたって少しずつ費用に変わっていくのです✨
そうですよ~😊
では、ここまでの決算書の流れを簡単にまとめておきましょう。
① リニア中央新幹線の建設代金を支払った時
支払ったお金は、建設された設備=有形固定資産(建設仮勘定、建物、機械装置など)に変わる
↓ ↓
② リニア中央新幹線が開業した後(建設された設備が使われ始める)
①の有形固定資産は、使われる期間にわたって費用(減価償却費)に変わる
(これを減価償却といいます😊)
②では、費用(減価償却費)に変わった分、有形固定資産の残高は少なくなっていきます。
このように、リニア中央新幹線の建設のために支払ったお金は、
最終的には費用として計上されることが分かりますね✨
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まとめ
1.リニア中央新幹線建設のために支払った代金は、決算書では、まず建設仮勘定として有形固定資産に変わる(設備が完成すると、それぞれ適切な勘定科目(「建物及び構築物」や「機械装置」等)に振り替えられる)。
2.リニア中央新幹線開業後、建設された設備が使われ始めると、1で計上された有形固定資産は設備を使用する期間にわたって費用(減価償却費)に変わっていく。