日清紡といえば、思い浮かぶのはまったりした犬の会話と一度聞いたら忘れられない歌が印象的なあのCMですよね😊
興味を引くだけ引いておいて、CMでは一切触れられないその事業内容について見ていきます。
日清紡は何してる会社?
実は歴史が古い
日清紡の始まりは今から100年以上前の1907年。日清紡績株式会社として、高級綿糸を作る事業から始まりました。
そこから、精密機器、化学品など様々な領域に手を広げていったのです。
手がけている数々の事業とは?
日清紡が展開している事業を大きなグループに分けると、このようになります。
🔹 エレクトロニクス → 無線通信機事業(監視システム、船舶の通信機器等)と半導体事業 (AV機器等)
🔹 ブレーキ → 自動車のブレーキ摩擦材
🔹 精密機器 → 自動車、家電、医療、太陽電池製造など多岐にわたる製品に応用
🔹 化学品 → LNG船用保冷パネル、燃料電池部品などを開発
🔹 繊維 → シャツ、デニムなどを糸から手掛ける
🔹 不動産 → ショッピングセンターの賃貸、戸建の分譲
精密機器からシャツ、ショッピングセンターまで、CMで「いろいろやってるよ~」と歌っているだけあって幅広くカバーしていますね✨
不動産事業は、やはり安定的なキャッシュを得る目的が大きいようです。日清紡以外にも、高島屋やサッポロなど一見不動産と関係ないような企業でも、不動産事業から大きな利益を得てキャッシュを安定させている企業はめずらしくありません。
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実際に稼いでいるのは2つの事業
売上高を見ると、エレクトロニクスとブレーキで全体の60%以上を占めています。その次に精密機器と繊維が続いています。
しかし、そのブレーキ事業は実は赤字が続いているのです。そのため、ここ数年の営業利益を見てみると、エレクトロニクス事業が全体の半分~70%ほど、残りを利益率の高い不動産事業が稼いでいる状況でした。その他の事業の営業利益は赤字か全体の数%を占める程度です。
とはいえ、どの分野も研究開発等への投資は欠かせません。日清紡が多様な事業を続けていく上ではエレクトロニクス事業と不動産事業の稼ぎがとても重要であることが分かります🗝
ところが、2017年3月期は、日清紡の鍵となるエレクトロニクス事業が赤字に陥ってしまいました😥海運市況の悪化により船舶向けの通信機器の販売がふるわなかったり、円高に傾いたことでマイナスの影響が出たことが主な原因です。日清紡は海外向けの販売が半分弱を占めているので、為替の動きには影響を受けやすいんですね。
そんな時でも安定して利益を持ってきてくれる不動産事業は力強い存在です。エレクトロニクス事業が落ち込んだ2017年3月期は、営業利益の6割以上を不動産事業が稼いでいます。
日清紡がいろいろ手掛けているワケ
事業を多角化させている理由とは?
100年以上も歴史がある日清紡は、高度成長期、モータリゼーション、インターネットの発達といった波を捉えながら、その時代に必要とされる事業領域に参入していくようになりました。今や日清紡のコア事業であるエレクトロニクス事業が利益の稼ぎ頭となったのも、2010年代に入ってからのことです。
関連性のない事業に手を広げていくことは、確かに非効率となる面もあります。しかし、日清紡はこの多様性をプラスに捉えているのです✨
日清紡のビジネスモデルは「多角化された事業を時には融合することで、移り変わる時代に合った新たな事業を生み出し、そこに経営資源を集中投下して成長させていく」というものです。
こうした時代のニーズに適応できる柔軟性こそが日清紡の最大の強みだ、と日清紡の社長もおっしゃっていますね😊
今育てている事業とは?
その日清紡がこれからの時代に適応していくべく選んだ新事業は、自動運転ビジネスです。
日清紡はブレーキ事業や精密機器事業を営む中で、すでに自動車関連企業とつながりを築いています。これを基盤にエレクトロニクス事業の経験や技術を生かして、自動運転ビジネスを発展させていこうとしているのです。
利益が落ち込んだ2017年3月期においても、研究開発拠点の建設といった投資にはしっかりとお金をかけていますね✨