「東芝がサザエさんのCMを降板検討か!?」というニュースが流れてきました。
サザエさんと東芝は世間にすっかり定着した組み合わせ。東芝の環境を考えるとなんだか納得できるニュースではありますが…子供の頃から馴染んでいたものが変わると、少し寂しい気もしますね😳
今回は、東芝を取り巻く環境とサザエさんも含めた広告宣伝への姿勢に変化について取り上げてみます。
CM降板のきっかけとは?ー東芝の業績の見通しー
東芝の業績と言えば‥
もはや言わずもがなかもしれませんが、2017年3月期には債務超過になり東証1部から2部に降格されたほどです。あまり良くはないのです。
一連の会計不祥事問題、そして財務状況の悪化により、投資家からの信用も大きく大きく下がってしまいまいた。そうすると、必要な時に資金を調達すること、たとえば株式を買ってもらったり、お金を借りる、といったことも、以前よりも難しくなってしまいますよね。
その上、リストラなどの構造改革費用もかかっており、東芝の中で「経費はなるべく削減しよう!」という空気になっているのではないでしょうか。
そんな東芝に差しこんでいる一筋の光が、子会社の東芝メモリ売却になんとかこぎつけそうなこと。この売却から得られる収益で債務超過を解消すれば、2018年の上場廃止を免れる可能性が高まります。
一方で、東芝メモリの扱う半導体メモリ関連の事業は、東芝の中で突出した稼ぎ頭。他の事業の営業利益率が3~4%で推移する中、この半導体メモリ関連の事業だけは2桁の営業利益率をたたき出しています。
収益率で東芝を引っ張っていた東芝メモリを失うことで、東芝全体としての利益率も悪化、つまり、コストの圧迫が強まることになると思います。
この先東芝を待ち構えている厳しい環境が、多くの人に親しまれ、東芝の認知度を高めているサザエさんCMの降板を後押ししているのかもしれません。
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CM降板のきっかけとは?ー白物家電事業からの撤退ー
サザエさんで流れる東芝のCMといえば、冷蔵庫や洗濯機といった家電製品ですよね😀
しかし、私達個人消費者からすると東芝の顔でもあった家電製品事業は、すでに2016年中国の会社(美的集団グループ)に売られてしまっています。(事業売却後も、商品は東芝ブランドのまま販売されています。)
すると、東芝にとってはもう、お金をかけてまで家電製品を宣伝する意味は薄れてきてしまいますね。
東芝メモリ売却後は、発電所やエレベーターといった社会インフラに携わる事業を主軸に展開していくことになります💫
東芝の広告宣伝費は減っている?
サザエさんのスポンサー費用は、東芝の広告宣伝費全体の数%だと思われます。が、東芝は経費を何とか抑えるべく、数%の単位でも各分野で切り詰めていっているのだと思います。
実際に、東芝の広告宣伝費はどのように変化しているのでしょうか?
2017年3月期の広告宣伝費は、不正発覚前の2014年3月期から6割減となっています。
売上高も減っているため、売上高広告宣伝費比率(※)で比べてみると‥(※ 広告宣伝費÷売上高)
🔹2014年3月期→0.6%
🔹2017年3月期→0.3%
と、売上高との比率で見ても、やはり減少傾向にあります。
事業規模の縮小によって広告宣伝にかけるコストが減っているだけではなく、そもそも広告宣伝への注力度合いが少なくなっていることが分かります。
一方で、売上高に対する研究開発費の比率は2014年3月期よりも増えているので、限られた資金を重点分野に絞って投入しているのではないでしょうか。家電製品など、一般消費者向け商品の取扱いが減ったことも関係しているかもしれません。
サザエさんのスポンサーを降り、事業も減っていくことも考えれば、まだまだ広告宣伝費は減っていくことが考えられます。
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広告宣伝費が増えている企業は?
少し話が変わりますが、広告宣伝費が増えている企業もちょっと見てみたいと思います😊
ご紹介するのは、コーセー💍
雪肌精、エスプリーク、ジルスチュアートなどといったブランドの化粧品を展開する企業です。最近は高級ラインの化粧品の売れ行きが良く、売上を伸ばしていますね。
先ほど東芝で比較したのと同じ期間で広告宣伝費を比べてみると、2014年3月期と比べて2017年3月期の広告宣伝費は1.5倍以上に増えています。
売上高広告宣伝費比率も、
🔹2014年3月期→6.3%
🔹2017年3月期→7.0%
と上昇しています。
現在のコーセーは、コーセーの言葉を借りると「世界に通用するブランドの育成」期間に入っています。世界規模で市場の開拓を加速させているのです。
新たな市場でコーセーのブランドを浸透させるために、広告宣伝費を投入しているんですね。
売上が好調とはいえ、広告宣伝費が増えている分、人件費や管理費を抑えてバランスをとっています😀