そんなハニー姫も大丈夫!
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まずは「見出し」でポイントをつかもう!
2019年6月8日 日本経済新聞朝刊(投資情報欄)より
「HIS、純利益38%増 11~4月 10連休で遠距離旅行が好調」
先ほどの見出しを要素ごとに分けてみましょう。
① HIS
② 純利益38%増
③ 11~4月
④ 10連休で遠距離旅行が好調
では、残りの3つの要素を1つ1つ読み解いてきましょう!
③ 11~4月
まずは③から見ていきましょう!
この「11~4月」とは、HISのどの時期の業績について書かれた記事かを表しています✨
HISの決算期は10月です✍
つまり、「11~4月」とはHISにとっての上半期にあたります。
この記事は、HISの2019年10月期の上半期の業績を伝えている記事なのです😊
② 純利益38%増
「純利益」とは、当期純利益や四半期純利益のことです✨
本業か、本業以外かに関わらず、企業が行うすべての活動から生み出された利益ですね!
今回の記事は、HISの上半期の業績について書かれたものなので、見出しにある「純利益」とは四半期純利益のことです😊
そして、この四半期純利益が「38%増」となっているわけです🎈
企業の業績発表では、「売上高や利益が何%増えたか又は減ったか」という表現が多用されます✍
ここで比較されているのは、前年度の同じ時期(前年同期)の売上高や利益です。
今回の記事は、前年度(2018年10月期)の11~4月と比べて、四半期純利益が「38%増」となっていることを伝えているのです😊
④ 10連休で遠距離旅行が好調
見出しの①~③の文言によって、「HISの2019年10月期上半期の四半期純利益が、前年同期よりも38%増えたこと」が分かりました✌
では、その理由はなんでしょうか?
これを端的に表しているのが「④ 10連休で遠距離旅行が好調」という文言です😊
2019年のゴールデンウイークはいつもよりも長く、旅行に出かける人も多かったようですね!
これがHISの業績を押し上げる主な要因になったようです✈
①~④をまとめると…
つまり、今回の記事の見出し「HIS、純利益38%増 11~4月 10連休で遠距離旅行が好調」をもう少し詳しく書き換えると、
「10連休効果で遠距離旅行者が増えた恩恵を受けて、
HISの2019年10月期上半期の四半期純利益は前年同期から38%増えた」
という内容になります✨
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【損益計算書で解説♪】利益が増えた仕組みとは?
記事の本文を見てみると、この時期のHISの業績に影響を与えた要素が大きく3つ挙げられています。
1.10連休効果で遠距離の旅行先が人気であったこと
2.前年同期よりも特別損失が減ったこと
3.ハウステンボスが不調であったこと
こちらはHISの2019年10月期上半期の損益計算書です✨✨
(一部項目を省略し、主要項目のみ表しています)
科目 | 2019年10月期 上半期 | 前年同期と 比べると… |
|
---|---|---|---|
A | 売上高 | 3,778 | +11% |
売上原価 | 3,083 | ||
売上総利益 | 694 | +10% | |
販売費及び一般管理費 | 605 | ||
営業利益 | 89 | +17% | |
営業外収益 | 18 | ||
営業外費用 | 19 | ||
経常利益 | 88 | +13% | |
特別利益 | 5 | ||
B | 特別損失 | - | |
税引前四半期純利益 | 93 | +7% | |
法人税等 | 33 | ||
親会社株主に帰属する四半期純利益 | 49 | +38% |
※ 単位:億円
では、1.~3.の要素が損益計算書のどの部分にインパクトを与えたのかを見てみましょう✍✨
本業の好調・不調はどこに表れる?
「1.10連休効果で遠距離の旅行先が人気であったこと」と「3.ハウステンボスが不調であったこと」はHISの本業に関するできごとです。
損益計算書のうち、本業から生じた損益を表すのは上図の A の部分ですね😊
1.の10連休の恩恵を受けて旅行者数が増え、さらに遠距離旅行人気によって商品の単価が上がったことで、売上高・営業利益が押し上げられています⤴
実は、HISは旅行事業のほか、
🔸 ハウステンボス事業
🔸 ホテル事業
🔸 電力小売事業
🔸 自動車運送事業
などなど…複数の事業にたずさわっているんです✨
イメージ通り、HISの売上高の大半を担っているのは旅行事業ですが…
2018年10月期の業績を見ると、ハウステンボス事業は営業利益ベースで全体の3割以上を稼ぎ出しています💰
それでも、旅行事業などといったその他のプラスの要因が上回り、HISが手掛ける事業全体としては増収増益となったのです🎈
純利益にインパクト大!特別損失とは?
「2.前年同期よりも特別損失が減ったこと」は、本業が好調か不調かは関係ありません。
さらに…
特別損失とは、費用・損失の中でも臨時(その企業にとって、毎年は発生しないような性質)、巨額(その企業では、通常は発生しえないような規模の金額)のものを言います。
その特別損失を表しているのが、損益計算書の B の部分です!
今回のHISの損益計算書を見てみると、この特別損失は0円でした。
一方で、前年同期は20億円ほど発生しています(内容は関係会社債権放棄損など)😲
前回は利益を20億円も押し下げる原因となった特別損失が、今回は発生しなかったこと。
これが、前年度と比べた時に利益が増えた要因です✨
つまり、「前年同期に発生した特別損失が今年は少なかった」という理由で利益が押し上げられても、その事象自体は企業の稼ぎ力が増したことを表しているわけではないことに注意が必要です💡
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記事にはない!利益アップの別の理由とは?
記事を読む限り、今回のHISの利益アップには、10連休での遠距離旅行人気が大いに貢献したようですが…
HISは海外における旅行事業の強化も進めており、ここ1年以内においても新しくHISの傘下に入った海外子会社がありました。
つまり、この海外子会社の稼いだ売上高や利益がHISの損益計算書に足されるようになったのです。
そのため、前年同期と比べると売上高・利益がグッと底上げされたんですね✨
旅行事業のほかにも…