今回のテーマは百貨店✨
華やかなイメージがあるデパート業界も、近年は訪日観光客の動向やファッションの移り変わりの波にもまれているようです。
そんな百貨店が、どのように利益を稼いでいるのかを解き明かしていきましょう!
百貨店の売上の中身を公開!
まず注目するのは、日本橋や大阪に店舗を構えている高島屋🎵
こちらの企業の売上高を解体してみましょう😊
高島屋の売上高(2018年2月期)
事業 | 事業の内容 | 売上高 |
---|---|---|
百貨店業 | デパートでの小売り | 8265億円 |
不動産業 | 不動産賃貸、ショッピングセンター運営等 | 474億円 |
金融業 | クレジットカードの発行等 | 141億円 |
建装業 | 内装工事 | 259億円 |
その他 | 354億円 | |
合計 | 9495億円 |
※セグメント情報「外部顧客への営業収益」の数値を記載
不動産業や金融業などは、デパートのイメージとはちょっとかけ離れている気もしますね。
実は、このような事業の組み合わせは、他の百貨店にも共通しています✨
多くの百貨店は、都心や地方の中心都市といった一等地に店を構えています。
この地の利を生かして賃貸収入を得たり、その他にも商業施設を運営したりしているのです。
最近では、ブランド店を詰め込んだ「GINZA SIX(ギンザ シックス)」のオープンが話題になりましたが、こちらの収入はJ.フロント リテイリング(大丸・松坂屋の企業)の不動産事業に含まれています。
また、百貨店は、クレジットカード(その百貨店でお買い物することによってポイントが貯まる)を発行しています。
このクレジットカートから得る年会費や加盟店からの手数料などが、金融業の収入源なのです💰
このように、百貨店では、小売り以外にも複数の事業を手掛けていることがわかりますね😊
確かに、先ほどの高島屋の例を見ると、売上高の9割近くは百貨店業で占められています。
ところが、これを利益面からみると、また違った表情が見えてくるんですよ😉
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高島屋の利益を支えているのは○○業!?
高島屋の利益を支えているのは…
はい💦もちろんそうですが、実はもう1つ、重要なポジションを占めている事業があります。
それは、不動産業です✨
高島屋の場合、売上高(営業収益)の87%は百貨店業が占めており、不動産業はたったの5%程度にすぎません。
ところが、営業利益の面からみると…
事業 | 営業利益に占める割合 | 売上高に占める割合 |
---|---|---|
百貨店業 | 40% | 87% |
不動産業 | 34% | 5% |
金融業 | 13% | 1% |
建装業 | 4% | 3% |
その他 | 10% | 4% |
合計 | 100% | 100% |
※営業利益に占める割合は「セグメント利益」をもとに(調整額は考慮外)、売上高に占める割合は「外部顧客への営業収益」をもとに算出
そうなのです!
売上高だけを見るとあまり存在感を感じない不動産業ですが、利益ベースでみると高島屋全体の4割近くを稼いでいることがわかります。
これは、小売業などと比べて、不動産業の利益率が高い傾向にあるためです😊
「利益率が高い」とは、たとえば、同じ100円の売上高を稼いだとして、そこから得られる利益がより大きいことを言います(利益=収益(主に売上高)-費用)。
業種が異なるので一概に比べることはできませんが、不動産業の方が百貨店業と比べて利益を得る効率性が高いと言えるんですね。
売上高全体に占める割合は1%なのに、利益全体ではその1割以上を稼ぎ出している金融業についても同じことが言えます。
高島屋は、今後も不動産業、金融業を核事業として育て上げていく方針のようです✨
高島屋ほどではないにしろ、このような傾向は他の百貨店にも共通しています。
たとえば、三越伊勢丹ホールディングスでは、不動産業が売上高全体に占める割合はわずか2%です。
ところが、営業利益ベースでみると、不動産業が占める割合は27%にものぼります⤴
(2018年3月期 有価証券報告書より)
百貨店にとって、不動産業や金融業は、百貨店業とのシナジー効果を得られるとともに、利益の安定性を高める心強い存在なのですね😊
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まとめ
1.百貨店は、百貨店業以外に不動産業や金融業を手掛けていることが多い。
2.売上高では百貨店業が圧倒的に大きい割合を占めるが、利益ベースで見ると利益率の高い不動産業や金融業の存在感が強いことがわかる。