確かにキャッシュフロー計算書を見ると、キャッシュフローの計算過程で減価償却費がプラスされていますね✍
なぜ、減価償却費をプラスすると、キャッシュフローが求められるのでしょうか?
その謎を解き明かしていきましょう😊
これを知らなきゃ始まらない!「間接法の仕組み」とは?
キャッシュフロー計算書は、3つのグループから構成されています。
● 営業活動によるキャッシュフロー
● 投資活動によるキャッシュフロー
● 財務活動によるキャッシュフロー
このうち、「営業活動によるキャッシュフロー」には直接法と間接法という2つの記載方式があり、多くの企業が間接法を選んでいます。
減価償却費をプラスしているのは、間接法で記載した「営業活動によるキャッシュフロー」のパートです。
間接法の仕組みについては、こちら(↓)で詳しく解説しています😊
実は、この間接法の仕組みにこそ、減価償却費をプラスしている理由があるのです。
間接法を採用したキャッシュフロー計算書では、損益計算書で計算された税引前利益の金額に対し、
①キャッシュフローとの間のズレを補整
②営業活動以外の損益を取り除く
という作業を行うことで営業活動によるキャッシュフローを求めます。
今回のテーマである「減価償却費」が計上されると、上記のうち「①キャッシュフローとの間のズレを補整」する必要が出てきます✨
その理由を、次のパートで解説しますね😊
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なぜ?キャッシュフロー計算書で減価償却費をプラスする理由
実は…
減価償却費が計上される時点とキャッシュが支払われる時点は異なります。
では、減価償却費に対応するキャッシュを支払うのはいつでしょうか?
答えは、減価償却の対象となる固定資産を購入したときです😊一方で、減価償却費は、固定資産を使用し始めてから発生します。
※減価償却費とキャッシュフローの関係
固定資産を買う際に購入代金(キャッシュ)が支払われる一方で、対応する費用(減価償却費)は、その固定資産を使う期間にわたって毎年分割計上されていきます。
たとえば機械を購入した場合、キャッシュは購入時に支払われますね。そして、その支払った金額をベースに計算された減価償却費が、機械を使用する期間にわたって計上され利益に織り込まれる(=収益から差し引かれる)のです。
このように、固定資産購入については、キャッシュの支払い時点と費用(減価償却費)の計上時点が異なるのです😊
詳しくはこちら(↓)
そのため、減価償却費が計上され税引前利益に織り込まれることで、税引前利益とキャッシュフローの金額の間にズレが生じてしまうのです😲
そこで、間接法で「営業活動によるキャッシュフロー」を求める際は、税引前利益に減価償却費を足し戻すことで、減価償却費が計上されなかったものとします✍
こうすることで、本来のキャッシュフローの金額に修正しているんですね😉
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キャッシュフロー計算書だけが教えてくれる!減価償却費の○○金額とは?
費用の1つである減価償却費は、損益計算書の中に含まれます。
ところが、損益計算書を見ても、企業全体で発生している減価償却費の合計金額はわかりません。
減価償却費は、売上原価や販売費及び一般管理費の中に含めて表示されるためです(※販売費及び一般管理費に含まれている減価償却費は、注記等で表記されている場合があります)。
実は、キャッシュフロー計算書の中で足し戻されている減価償却費を見れば、減価償却費の合計金額を知ることができます!
このようにして、過去からの減価償却費の増減を把握すれば、減価償却費がどのように利益にインパクトを与えているかをつかむことができますね😊
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まとめ
1.間接法では、税引前利益(税金等調整前当期純利益)の金額に対し、キャッシュフローとの間のズレを足し引きする等によって営業活動によるキャッシュフローを求めている。
2.減価償却費に対応するキャッシュが支払われるのは固定資産を購入した時であり、減価償却費が計上される時点とはズレが生ずる。
3.そのため間接法を採用したキャッシュフロー計算書では、減価償却費が織り込まれた税引前利益に対して減価償却費を足し戻すことで、本来のキャッシュフローの金額へと調整している。