今回のテーマは、販管費の内訳の探し方です✨
🔸 どこを見れば販管費の内訳が分かるのか❓
🔸 販管費の内訳を見ると、何が分かるのか❓
これらを解説していきます😊
販管費の基本知識についてはこちら(↓)
どこに販売費及び一般管理費の内訳があるの?
まずは、有価証券報告書を開きましょう!
有価証券報告書の入手方法は、こちら(↓)の【基本編-2】に記載していますよ😉
販管費の内訳の記載方法は2パターンあります✨
① 損益計算書に記載
② 注記事項に記載
企業によってどちらを採用するかは異なりますが、②の方法で記載している企業の方が多いですね😊
①の場合は、損益計算書の「販売費及び一般管理費」の下に内訳が記載されています。
②の場合は、財務諸表の次のパートである【注記事項】の中に記載されています(↓↓)
第一部 企業情報 > 第5 経理の状況 >【注記事項】(連結損益計算書関係)(※)
(※)連結損益計算書の販管費は(1)連結財務諸表等の【注記事項】に、単体の損益計算書の販管費は(2)財務諸表等の【注記事項】に内訳が記載されます。
決算短信でも、販管費の内訳を開示していることがあります(開示していない企業も多いです)。
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販管費の内訳を見ると何が分かる?
内訳が教えてくれるコトとは?
一口に販管費と言っても、その中には様々な種類の費用が含まれています😲
CMを流す費用、お客さんとの飲食代、お店を借りる費用、本社社員へのお給料…などなど。
販管費が原因で利益が落ち込んだとしても、その内訳まで掘り下げていかなければ、業績の足を引っ張った真犯人を突き止めることはできないのです。
また、バラエティに富んだ販管費の内訳を見ることで、その企業の特徴も見えてきます(「広告費が膨らむ傾向にある」等)
吉野家、増収減益になった理由とは?
ここで、吉野家の事例を見てみましょう✨
吉野家の2018年3~8月期の業績は、増収減益でした(売上高は増えたのに、利益は減ってしまった状態)。
実際、売上高を見てみると、前年の同じ時期と比べて3%弱の伸びを見せています🚀
季節に合わせた商品の投入やキャンペーンなどの努力によって、客数が順調に伸びたようです😊
ところが!
本業の収益性を表す営業利益は97%も減り、それに引きずられるように最終損益は赤字に陥ってしまったのです💦
赤字の原因を作ったものとは?
損益計算書を見てみると、2つの原因が浮かび上がってきます。
① 売上高の伸び以上に、売上原価が増えてしまった😨
② 売上高の伸び以上に、販管費が増えてしまった😨
売上高が成長(+2.7%)した以上に、商売にかかる費用である売上原価(+5.7%)と販管費(+4.5%)が増えてしまったため、利益がグッと押し込まれてしまったのです。
これに加えて、閉店する店舗の減損損失が重なり、吉野家は赤字になってしまいました💦
売上原価(商品の仕入額などを含む)が増えた理由は、牛肉やお米などの食材価格が高騰してしまったことです🐄
販管費が増えた理由とは?内訳を見てみよう!
では、販管費が増えた理由は一体何だったのでしょうか?販管費を項目ごとにバラしてみましょう。
四半期報告書の【注記事項】に書いてあった、販管費の主な費目は以下の通りです(2018年3~8月期)。
🔸 給与手当 84億円
🔸 賞与引当金繰入額 12億円
🔸 パート費 188億円
🔸 地代家賃 104億円
上3つは人件費であり、これだけで販管費全体の半分弱を占めています。
この中でも特に増えているのが、販管費の中でも最高額を誇るパート費です。
店舗数を拡大させているのでパート人員が増えるのは当然ですが、売上高の成長(+2.7%)をはるかに上回ってパート費が増えているのです(+4.9%)。
その原因となっているのが、昨今の人手不足からアルバイトやパートの時給が上昇していることです。
出店数を増やせば採用や教育に係る費用もかかってくるため、こちらのコストもかさみますね💦
国内外に広く店舗展開する吉野家にとって、アルバイトやパートは必要不可欠な存在です。
それゆえ、コストの中で一際存在感を発揮するアルバイト・パートの人件費上昇は、吉野家にとって大きな痛手となったのです(これは、昨今の外食産業では共通の悩みですね😢)。
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まとめ
1.販管費の内訳は、有価証券報告書の損益計算書(「販売費及び一般管理費」の下)か、【注記事項】(連結損益計算書関係)の中に記載されている。
2.販管費には様々な種類の費用が含まれているため、その内訳まで掘り下げなければ、一体どんな費用が業績に影響しているのかが分からない。また、販管費の内訳まで見ることで、その企業の特徴がつかみやすくなる。