と、言ってるくま美さんも、セグメント情報に何が書いてあるのかまでは知らないそうです😊
実は、セグメント情報には、決算書を読む際に役立つ情報がつまっているんですよ✨
今回は、「そもそもセグメント情報って何?」という基本的な知識から、その読み方までをチェックしていきましょう!
セグメント情報の意味とは?何を教えてくれるの?
まずセグメント情報のイメージをつかむために、実際に公開されているセグメント情報を見てみましょう😊
こちらは、明治ホールディングスのセグメント情報(2018年3月期)です✨
報告セグメント | 合計 | 調整額 | 連結財務諸表 計上額 |
||
食品 | 医薬品 | ||||
売上高 | 10,736 | 1,684 | 12,421 | △ 12 | 12,408 |
セグメント利益 | 841 | 110 | 952 | △ 5 | 946 |
セグメント資産 | 6,613 | 2,127 | 8,740 | 534 | 9,275 |
● 明治ホールディングス株式会社の有価証券報告書(2018年3月期)より
分かりやすくするために一部の情報を省略していますが、ここでは様式や記載内容の雰囲気をつかんで頂ければと思います😉
確かに項目はいくつもありますが、書いてあることはいたってシンプルなんです✨
ここではまず、2つのポイントだけ押さえておきましょう!
そのポイントとは、
会社の事業を「食品」と「医薬品」に分けているということ。
そして、
分けられた事業ごとに「売上高」や「利益」を把握できるということです。
次から、詳しく見ていきましょう😉
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セグメント情報ってどこに書いてあるの?
セグメント情報は、有価証券報告書の中に見つけることができます。
具体的には、有価証券報告書の中のこちら(↓)の箇所に記載されていますね😊
第一部 企業情報 > 第5 経理の状況 > 1 連結財務諸表等 > セグメント情報
連結財務諸表を補足する情報として、連結財務諸表の注記事項の次に載っています🌟
(IFRSによって財務諸表を作成している場合は、連結財務諸表注記の中に掲載されています)
また、企業のホームページに掲載していることもありますね(主に、IR情報の財務ハイライトページ)😊
なお、セグメント情報は連結財務諸表を作成している場合にのみ開示されます。
セグメント情報で何が分かるの?
セグメント情報の肝は何といっても…
企業の事業単位の業績が分かるということです!
企業の外部に向けて公表される決算書は、企業全体の業績を表したものですよね😉
ですが実際のところ、2つ以上の事業を掛け持ちしている企業は多いのです。
そのため、企業全体でみれば業績が上向いていても、
実は核となる事業の利益は落ちているのかもしれないし、
新しく始めた事業が急激に成長して、全体を引っ張っているのかもしれないのです。
事業単位で業績を見ることで、より企業のリアルに迫ることができるのですね✨
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セグメント情報の見方をサクッと押さえよう!
ここからは、セグメント情報の詳しい見方をチェックしていきましょう🎵
セグメントって何?
まず、セグメント情報を見る上でのキーワード「セグメント」について、解説します。
先ほどご紹介した明治ホールディングスの場合は、「食品」と「医薬品」の2つを報告セグメントとしていましたね😊
ザックリ言うと、報告セグメントとは、
経営陣が意思決定や業績評価を検討する単位であり、かつ、財務情報を分離して入手できる単位のことです。
つまりセグメント情報があれば、実際に意思決定を行っている経営者の視点に立って、企業の業績を見ることができるんですね✨
明治のセグメント情報を見てみよう
ここで、もう1度明治ホールディングスのセグメント情報を見てみましょう!
報告セグメント | 合計 | 調整額 | 連結財務諸表 計上額 |
||
食品 | 医薬品 | ||||
売上高 | 10,736 | 1,684 | 12,421 | △ 12 | 12,408 |
セグメント利益 | 841 | 110 | 952 | △ 5 | 946 |
セグメント資産 | 6,613 | 2,127 | 8,740 | 534 | 9,275 |
● 明治ホールディングス株式会社の有価証券報告書(2018年3月期)より
「食品」セグメントは、ヨーグルト、牛乳、チョコレートといった食品類を扱う事業です。
” meiji ”と聞いて私たちが思い浮かべる商品はこちらに含まれていますね😊
「医薬品」セグメントは、医療用のお薬のほか、農薬や動物薬も扱っている事業です。
明治のイメージからは意外な分野かもしれませんが、海外にまで展開している事業なのです✈
「食品」と「医薬品」の売上高、セグメント利益を見ると、「食品」の数字が「医薬品」を圧倒していますね😲
利益率も「食品」の方が高いですし、名実ともに「食品」セグメントが明治を支える柱であると言えます。
ちなみに、明治ホールディングスの場合、セグメント利益とは(セグメント単位の)営業利益のことです。
明治ホールディングスのように、セグメント利益を営業利益としている企業は多いですね😊
(セグメント利益を何の利益としているかは、セグメント情報の欄に記載されています)
調整額とは何を表すの?
明治ホールディングスの場合、「食品」と「医薬品」という2つのセグメントがあります。
2つの売上高を合計すると損益計算書の売上高に、2つのセグメント利益を合計すると損益計算書の営業利益になります✨
損益計算書の売上高や営業利益は、表の一番右の欄「連結財務諸表計上額」に記載されていますね😊
セグメント情報を見てみると、「食品」や「医薬品」の数字と「連結財務諸表計上額」の数字の間に「調整額」って項目があるよ!
おっ、よく気がつきましたね😊
実は、各セグメントの売上高やセグメント利益を足し合わせただけでは、損益計算書の売上高や営業利益とは一致しないのです!
その理由は、
● 各セグメントの利益には織り込まれないような会社全体の費用があること
● セグメント間で販売などの取引があること
などです😉
セグメント間の取引は、会社内部で起こった取引です。
外部への売上高などを表す損益計算書の数字と一致させるためには、これらの取引の影響を取り消さなくてはなりませんね。
このように、損益計算書の数字と一致させるために金額の調整を果たすのが、セグメント情報の「調整額」欄なのです🌟
さらに細かい情報も分かる!
ここまでは、セグメントごとの売上高や利益に着目して解説してきました😊
実は、これ以外にも便利な情報を知ることができるんですよ✨
報告セグメント | 合計 | 調整額 | 連結財務諸表 計上額 |
||
食品 | 医薬品 | ||||
売上高 | 10,736 | 1,684 | 12,421 | △ 12 | 12,408 |
セグメント利益 | 841 | 110 | 952 | △ 5 | 946 |
セグメント資産 | 6,613 | 2,127 | 8,740 | 534 | 9,275 |
● 明治ホールディングス株式会社の有価証券報告書(2018年3月期)より
明治ホールディングスのセグメント情報をもう一度見てみると、一番下の段に「セグメント資産」という項目があります。
ここには、「食品」セグメントや「医薬品」セグメントが抱える有形固定資産や無形固定資産などが含まれます。
たとえば「食品」セグメントのセグメント資産であれば、チョコレートやヨーグルトを製造する工場の建物や機械装置などが含まれていると思われます。
さらに、上記の表では省略しているのですが…
実際のセグメント情報を見ると、「セグメント資産」の下にその他の情報も開示されているんですね✨
ここは企業によって異なるのですが、たとえばセグメントごとの減価償却費や減損損失、固定資産の増加額などが記載されています。
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まとめ
1.セグメント情報は、決算書を補足説明する情報として有価証券報告書の中に開示されている。
2.セグメント情報を見ることで、会社の事業ごとの業績を知ることができる。
3.損益情報以外にも、セグメントごとの資産残高や減価償却費なども分かる。