深く考えずに踏み切った値上げによって、とんと売れなくなったハニー姫の商品。焦ったハニー姫は別の作戦をとったようですが…
ハニー姫の価格戦略の巧拙は置いておいて…「なぜ、値下げをしたら利益が出なくなったのか?」に焦点を当てていきましょう!
このナゾを解くキーワードこそ、今回のテーマである限界利益です✨
お城に住むハニー姫は、一念発起しお菓子のネット販売会社を立ち上げました🐰✨
お付きのウリまるに教えてもらいながら、日々簿記やビジネスを1から勉強しています✍
先日(安易に)実施した商品の値上げがうまくいかなかったようで…😅💦
変動費・固定費をサクッと理解しちゃおう
利益の金額を決める重要な要素の1つに、費用があります✨
利益 = 収益 - 費用
こちらの費用、実は変動費と固定費という2つのグループに分けられるんです!
変動費とは?
材料の仕入代や商品の発送費は、商品が売れれば売れるほど増える費用ですよね😊
このように、商品の販売量(生産量)に合わせて増えたり減ったりする費用のことを変動費と言います✨
この他にも、
🔸 商品の仕入代
🔸 外注費
🔸 販売手数料
などが変動費に分類されます。
固定費とは?
ハニー姫が挙げた、事務所の家賃の他にも…
などのように、販売量(生産量)が100個でも0個でも一定額発生する費用のことを固定費といいます✨
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限界利益とは?求め方をガチッとおさえよう
限界利益はどうやって計算する?
限界利益は利益の1つですので、収益から費用を差し引いて計算します😊
利益 = 収益 - 費用
この利益の公式のうち、収益を売上高に、費用を変動費のみにしぼって計算したものが限界利益になります✨
限界利益は、販売数量に合わせて金額が増減する収益と費用(=売上高と変動費)にしぼって計算した利益です。そのため、売上高が増えれば増えるほど、それに比例するように増加する利益だと言えます✨
💫かんたんな例で理解しよう💫
たとえば、
🔸 商品1つ当たりの販売価格 …1000円
🔸 商品1つ当たりの変動費(商品の仕入代)… 600円
の例で考えてみましょう🎵
商品1つ当たりの限界利益は…
売上高1000円-変動費600円=400円
ですね😊
この商品が10個売れると、限界利益の総額は…
売上高総額10000円-変動費総額6000円=4000円
または
1個当たりの限界利益400円 ×10個=4000円
となります💰
このように、売上高の伸び幅に合わせて増えていくのが限界利益の大きな特徴です。
しかし…売上高が増えるほど限界利益が減っていく…そんな例外的ケースもあるんです!!
売上高が増えるほど限界利益が減るケースとは!?
限界利益はこのように計算されますが…
限界利益 = 売上高 - 変動費
もしも、売上高を変動費が上回っていたら、この限界利益はマイナスになってしまいますよね😲
たとえば、先日、ハニー姫の会社では商品を大幅値下げしましたが…
値下げ後、商品1つ当たりの限界利益がこんな数字になっていたんです!
商品1つ当たりの限界利益
=商品1つ当たりの売上高650円-商品1つ当たりの変動費700円
=△50円
もし商品が100個売れたとしても、その限界利益の合計は…
限界利益の総額
=商品1つ当たりの限界利益△50円 × 100個
=△5000円
では、このように限界利益が低い(又はマイナス)と、どんな問題が起こってしまうのでしょうか?
限界利益の本当の意味をさらに掘り下げていきましょう!
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限界利益の意味を深掘り!固定費を回収するって?
限界利益の役割とは?
ここまで変動費にスポットを当ててきましたが…
利益の公式にある通り、収益が費用合計(変動費+固定費)を上回らなければ、全体としての利益はプラスになりません💡
利益 = 収益(主に売上高)- 費用(変動費+固定費)
つまり、限界利益(=売上高-変動費)によって固定費をカバーできた時点で初めて、全体の利益がゼロになるんです✨
このように、限界利益によって固定費すべてがカバーされることを、「固定費を回収する」と言います!
固定費は販売数量に関わらず一定額しか生じないため、全体の利益がゼロになった後は売上高が伸びるほど(=限界利益が増えるほど)全体の利益も増えていくんですね😊
💫かんたんな例で理解しよう💫
先ほどの例を使って考えてみましょう🎵
🔸 商品1つ当たりの販売価格 …1000円
🔸 商品1つ当たりの変動費(商品の仕入代)… 600円
🔸 固定費(家賃、人件費など) … 20万円/月
この例では、商品1つ当たりの限界利益は…
売上高 1000円 - 変動費 600円 =400円
でしたね😊
この商品が100個売れたとすると、限界利益の総額は…
1つ当たりの限界利益 400円 × 100個 =4万円
ここから、残りの費用である固定費を差し引いて、この月の全体の利益を求めましょう!
限界利益の総額 4万円 - 固定費 20万円 =△16万円
ということで、翌月は頑張って500個売りました✨この月の全体の利益は…
1つ当たりの限界利益 400円 ×500個 -固定費20万円 =0円
500個販売した時点で初めて、限界利益の総額(20万円)が固定費分をカバーできたことが分かります。つまり、全体の利益がゼロになったんですね😊
ここから先は、販売数量を積み上げるごとに利益が増えていきます✨
ということで、その翌月はもっと頑張って600個売りました!この月の全体の利益は…
1つ当たりの限界利益 400円 ×600個 -固定費20万円 =4万円
このように、販売数量を積み上げることで限界利益を確保し、それによって固定費をまかなっていくイメージなんですね😊
つまり…
限界利益が黒字である限り、売れば売るほど全体の利益が積み増されていくんです✨
限界利益が赤字だと、全体の利益はどうなる?
では、限界利益が赤字の場合、全体の利益にはどのように影響するのでしょうか?
前のパートでお話ししたように、1つ当たりの限界利益が赤字(マイナス)だと、売れば売るほど限界利益総額の赤字幅が拡大してしまうんでしたね😢
たとえば、ハニー姫の会社の商品(1つ当たりの限界利益=△50円)を100個売ったら、全体の利益はいくらになるでしょうか?
1つ当たりの限界利益 △50円 ×100個 -固定費20万円 =△20万5千円
すっごく頑張って1000個売った時の、全体の利益は…
1つ当たりの限界利益 △50円 ×1000個 -固定費20万円 =△25万円
このように、頑張って商品をたくさん売ったところで、到底固定費を回収できません…それどころか、売れば売るほど全体の赤字も膨らんでしまうんです💦
今回学んだ限界利益に関連して、次は限界利益率もおさえちゃいましょう!
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まとめ
1.商品の販売量(生産量)に合わせて増えたり減ったりする費用のことを変動費という。反対に、販売量(生産量)に関わらず一定額発生する費用のことを固定費という。
2.限界利益は販売数量(生産数量)に合わせて増減する収益と費用にしぼって、計算した利益である。そのため、売上高の伸び幅に合わせて増えていくという特徴を持つ。
限界利益 = 売上高 - 変動費
3.限界利益によって固定費全てをカバーできた時点(=固定費を回収できた時点)で初めて、全体の利益がゼロになる。この先は、売上高が伸びるほど(=限界利益が増えるほど)全体の利益も増えていく(ただし、限界利益が黒字のケースに限る)。
4.限界利益が赤字の場合は、商品をいくつ売っても固定費を回収できず、売れば売るほど全体の赤字が膨らんでしまう。