前回、限界利益について学び、大きなショックを受けたハニー姫🐰(下記あらすじ参照)
お城に住むハニー姫は、一念発起しお菓子のネット販売会社を立ち上げました🐰✨お付きのウリまるに教えてもらいながら、日々簿記やビジネスを1から勉強しています✍
先日、商品を大幅に値下げしたことで(気づかないうちに)限界利益が赤字になり、いくら商品を売っても利益が出ない状態になってしまったのです…!💦
限界利益率とは?計算式からやさしく解説!
限界利益率の計算に必要な要素はたったの2つ!売上高と限界利益です✨
限界利益とは、販売量(生産量)に合わせて増減する収益と費用(=売上高と変動費)のみから計算される利益のことです✍
限界利益 = 売上高 - 変動費
売上高が伸びるにしたがって、それに比例するように増えていくという特徴を持ちます!
この限界利益でもって固定費をまかなった残りが、全体としての利益になります(限界利益の詳しい解説はこちら→♥)
その通り!
たとえば、限界利益率が40%だったら、「変動費をまかなっても、稼いだ売上高の40%は余る」ということなんです💰
ところで、ハニー姫の会社のように限界利益が赤字(マイナス)の場合、限界利益率はどんな数字になるのでしょうか?
🐰ある月のハニー姫の会社のデータ🐰
🔸 売上高 …26万円
🔸 限界利益 …△2万円
限界利益率は…
△2万円 ÷26万円 =△0.0769… ≒ △7.7%
約△7.7%と計算できました!
このように、限界利益が赤字の場合、限界利益率もマイナスの数値になってしまいます。
せっかく売上高を稼いでも、変動費をまかなうとマイナス(赤字)の利益が出てしまうことを意味していますね💦(「売上高<変動費」のため)
では、ここで出てきた限界利益率はどんな意味を持つのでしょうか?次のパートから、さらに理解を深めていきましょう😊
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どんな時に限界利益率が高い・低い?具体例で理解を深めよう
💫かんたんな例で理解しよう💫
ハニー姫の販売するお菓子には、チョコレートやナッツなど輸入材料が使われています🍫
つまり、ハニー姫の会社では、変動費(主に、商品を作るための材料費)が為替レートの動きに左右されるのです!
変動費が動くと、限界利益率にどのような影響があるのでしょうか?
🐰ある月のハニー姫の会社のデータ🐰(※ 値下げ前)
🔸 販売数量 …500個
🔸 売上高 …50万円
🔸 変動費 …25万円
この月の限界利益率を計算してみましょう✍
限界利益率 = 限界利益(売上高50万円 - 変動費25万円)÷ 売上高50万円
= 50%✨
これは、稼いだ売上高で変動費をまかなっても、売上高全体(50万円)の50%(=25万円)は残る(=限界利益)ということです。
この残った部分の利益(=限界利益)で、固定費をまかないます😊
ところが!翌月は為替レートが円安に傾き、変動費が一気に増えます!
🐰翌月のハニー姫の会社のデータ🐰
🔸 販売数量 …500個
🔸 売上高 …50万円
🔸 変動費 …40万円
商品1個当たりの変動費が上昇したために、この月の変動費全体も一気に増えましたね!(他のデータは前月と同じです😊)
この月の限界利益率は…
限界利益率 = 限界利益(売上高50万円 - 変動費40万円)÷ 売上高50万円
= 20%
前月と比べて、限界利益率が大きく下落してしまいました😲
今回は、販売価格が変わらない中で1個当たりの変動費だけが増えています。そのため、売上高のうち、変動費をまかなった後に残る割合が小さくなってしまったのです。
今回は変動費が増減するケースをご紹介しましたが…
1個当たりの変動費は同じでも、1個当たりの売上高が上下すれば、売上高のうち変動費をまかなった後に残る割合は変わりますよね😊
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高い限界利益率は何を意味するの?
限界利益率が高いということは、売上高のうち変動費をまかなっても余りある割合が大きいということです😊
つまり…
固定費をすべて回収してしまえば、赤字になることはありません!その先は、商品を販売するほど利益を積み増すことができます💰✨
言いかえると、固定費などが同じ条件の下では、限界利益率が高い方が利益を出しやすいのです。
💫かんたんな例で理解しよう💫
先ほどの、ハニー姫の会社の例で考えてみましょう😊
ハニー姫の商品は、円安に傾くほど変動費が増え、限界利益率が低くなるんでしたね。
限界利益率が変化すると、全体の利益にはどのような影響があるのでしょうか?
🐰ある月のハニー姫の会社のデータ🐰
🔸 売上高 …50万円
🔸 限界利益率 …50%
🔸 固定費 …20万円
売上高50万円のうちの50%(=25万円)は変動費をまかなった後に残る部分(=限界利益)です。
この残った部分の利益(=限界利益)で固定費をまかなうと、この月の全体の利益は…
全体の利益 = 売上高50万円 × 限界利益率50% - 固定費20万円
= 5万円
…と、5万円の黒字が出たことが分かりました💰
ところが!
翌月は為替レートが円安に傾いたことで、限界利益率が急降下します!
🐰翌月のハニー姫の会社のデータ🐰
🔸 売上高 …50万円
🔸 限界利益率 …20%
🔸 固定費 …20万円
これは、前月と同じ金額だけ売上高を稼いだとしても、変動費をまかなった後に残る金額(=限界利益)が少なくなることを意味します…💦
この縮小した限界利益で固定費をまかなうと…
全体の利益 = 売上高50万円 × 限界利益率20% - 固定費20万円
= △10万円
このように、売上高や固定費は前月と同じなのに、全体の利益が10万円の赤字になってしまいました😨
ちなみに、全体の利益がゼロ(損益トントン)となるために必要な売上高は…
🔸 最初の月(限界利益率50%) … 40万円
🔸 その翌月(限界利益率20%) …100万円
と、大きな差があります!
(固定費などが同じ条件の下では)限界利益率が高い企業の方が、少ない売上高でも費用をカバーし、利益を出しやすい体質であることが分かります。
それを知る方法として、損益分岐点の考え方があります✨
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まとめ
1.限界利益率とは、売上高に対する限界利益の割合を計算したものである。たとえば、限界利益率が40%だったら、「変動費をまかなっても、稼いだ売上高の40%は余る」といえる。
2.たとえば、1個当たりの売上高は同じなのに1個当たりの変動費が変わったり、その逆のケースが起こった時に、限界利益率が変動する。これは、売上高のうち、変動費をまかなった後に残る割合が変わるためである。
3.固定費などが同じ条件の下では、限界利益率が高い方が、少ない売上高でも費用をカバーし利益を出しやすい。