好業績が続くと思われていた最中に、再度発表されたサイゼリヤの2018年8月期業績予想。1年間の折り返し地点で、サイゼリヤは減益予想へと下方修正しました。
下方修正の原因を作った2018年8月期/上期の不調の理由については、【前編】で見ていきました(↓)。
今回の【後編】では、2018年8月期通期での予想値について、そして今後のサイゼリヤの業績がどのように変化していくのかについて見ていきます😊
通期の利益はどうなりそう?
上期の不調を受けて、2018年8月期の業績予想は、当初発表された数値よりも売上高は上方に、利益は下方に修正されました。
サイゼリヤ 2018年8月期通期の業績予想(2018/4/11公表)
売上高 1,565億円(前期比 5.5%増加)
営業利益 96億円(前期比 14.4%減少)
当期純利益 62億円(前期比 17.3%減少)
そのため、前年と比べると増収減益という結果になりそうなのです。
新規出店を進めていることや昨今の消費者の低価格志向を味方につけたことで、やはり売上高は好調の見込みのようですね。
一方、上期の減益の原因ともなった経費の膨張によって、やはり利益は引き下げられてしまいました。
通期の予想を引き下げてはいますが、サイゼリヤとしては下期は採算が上向くと考えているようです。
2018年8月期の上期と下期で営業利益率を比べてみると…
2018年8月期の営業利益率
上期(実績) … 5.0%
下期(予想) … 7.2%
前年同期よりは劣るものの、上期から営業利益率が改善すると予想していますね。
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本当に下期の利益率は改善する?
サイゼリヤは下期にかけて利益率が上向くと考えているようですが、本当にそうなるのでしょうか?上期の業績を減益に導いた要因から、その答えを検証してみましょう。
かなめの為替レートに変化
たとえば、2018年8月期/上期のオーストラリアドルは、1ドル=80円台後半で推移していたことが多かったのに対し、下期(2018年3月以降)は1ドル=80円台前半で推移するようになってきました。
ユーロに関しても、一時円安になった頃(2018年1月期)と比べると、だいぶ落ち着いてきたように思います。
ここまでの経過を見る限りでは、上期よりも円高方向に傾いてきたと言えます。
サイゼリヤの売上原価には、オーストラリアやイタリアから仕入れた材料が多く含まれます。そのため、為替レートが円高に傾く方が、原価を抑えやすくなるのですね。
このまま円高に傾いてくれば、サイゼリヤの採算もグッと改善されます。
高騰していた野菜価格にも変化
2018年8月期/上期は、夏の日照不足により野菜価格が高騰してしまいました。イタリアンレストランであるサイゼリヤに与えた影響も、もちろん小さくはありません。
しかし、秋から冬にかけて上昇した野菜の価格は、春を迎え緩んできましたね。たとえば、2018年3月のレタスの価格は、地域によっては冬期のピーク時価格の半分程度です。
このままなだらかに価格が落ち着いていけば、サイゼリヤの利益にも良い影響をもたらすはずです。
躍進する海外事業
アジアを中心に展開しているサイゼリヤの海外事業は、新規出店効果も加わって好調を保っています。既存店においても、客足が伸びているようですね。
2018年8月期/上期を見てみても、経費が膨らみ利益を引き下げた国内事業に対し、海外事業では採算が向上し利益を積み増していたのです。
下期はますます海外出店を加速させるため、売上高、利益ともに追い風を吹かせてくれそうです。
展開が読めない人件費
2018年8月期/上期を減益に導いた原因のうち、最も影響が大きかったのは人件費の増加です。
離職者を減らせれば、上期よりは採用コストが圧縮されるでしょう。また、上期に採用した新人さんも経験を通じて作業効率が上がってくるはずです。
一方で、従業員の離職に歯止めがかからなければ、上期のように新規採用や作業効率悪化による人件費増大は免れられないでしょう。
まだまだ日本社会全体として人手不足のトンネルの出口が見えない中、人件費削減の糸口を見つけるのは難しい状況ですね。
今後のサイゼリヤの対策、工夫にかかってくる問題だと思います。
下期はプラスの要素が多い
まだまだ人件費の展開が読めないものの、サイゼリヤは、下期にかけて採算が上向く可能性をいくつも持ち合わせていることが分かります。
人件費が上期以上に膨張しなければ、下期にかけて利益率が上昇してくる可能性はあると思います。
今後のサイゼリヤの稼ぎ力は?
2018年8月期は減益という予想がされていますが、その後のサイゼリヤの業績はどのように展開していくでしょうか?
今回減益が見込まれる主な原因、たとえば為替レートの変動や野菜価格の高騰はサイゼリヤの実力とは別次元の問題です。
(もちろんこれが恒常的な問題となれば、そこで試されるサイゼリヤの対応力も実力の一部と言えると思いますが)
加えて、利益率が高く好調を保つ海外事業が、今後のサイゼリヤの成長けん引役として期待を持たせてくれます。
魅力的な商品と価格で顧客を惹きつけ、国内外で店舗数を勢いよく増やし続けているサイゼリヤは、今後も増収増益をひた走る可能性を大いに秘めているのです。
その中で人件費問題をどう扱い、その他の経費も含めてどう効率よく抑えていけるか。ある程度増えてしまうのは、昨今のどんな成長企業であっても避けられませんね。
伸びていく売上高から、いかに経費を抑え多くの利益をしぼり出していけるかが、サイゼリヤを増収増益とするか、はたまた増収減益に変えてしまうかを左右することになりそうです。
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