サイゼリヤの2018年8月期は、増益予想から一転、減益の見通しが発表されました。
これを受け、サイゼリヤの株価は大幅に急落してしまったようです…。
減益予想に転ずる原因ともなった2018年8月期上期の不調の理由、そして今後のサイゼリヤの業績について、会計的視点もまじえつつ分析していきます😊
2018年8月期/上期に減益となったワケとは?
増収増益ロードを駆け上がり、2018年8月期もそのまま躍進すると思われた矢先、発表された上期の業績は増収減益というものでした。
とはいえ、海外含め店舗網を拡大させることで、計画以上の売上高のジャンプアップを達成することができていたのです。
サイゼリヤの業績を一転させたモノとは一体何だったのでしょうか?
円安に進む為替レート
サイゼリヤは売上の多くが国内向けである一方で、食材の仕入先は海外比率が高いのが特徴です。
たとえば、主力商品のハンバーグの牛肉やミラノ風ドリアのホワイトソースはオーストラリアのものを使い、ワインやプロシュートは本場イタリアから仕入れているのです。
つまり、為替レートが円安に進むと、仕入額が膨らみやすくなるのです。
※たとえば、100ドルの牛肉を輸入するとき
1ドル=90円なら… 9,000円に換算
1ドル=120円なら… 12,000円に換算
このように、円安に傾くだけで円換算した仕入額が膨らんでしまいます。
その一方で、国内向けが多くを占める売上高は、仕入高ほど為替レートの影響を受けません。結果、売上原価率(売上高に対する売上原価の割合)が高くなってしまうのですね。
2018年8月期/上期は、オーストラリアドル、ユーロともに、前期よりも円安になっていました。
実際に、サイゼリヤの2018年8月期/上期の売上原価率を見てみると…
2017年8月期/上期 … 35.6%
↓
2018年8月期/上期 … 36.7%
このように、前期よりも悪化(上昇)し、利益を押し下げる原因を作ってしまっています。
円安になったこと以外にも、天候不順で野菜価格が高騰したことも影響しているようです。
サイゼリヤの発表によると、2018年8月期/上期の営業利益の減少額9億円ほど(対前年同期比)のうち、4.7億円は為替の影響によるものだそうです。
人件費の使い方が非効率に
円安問題と並んで業績悪化の原因を作ったのは、人件費の増加です。
ただでさえ人手不足で人件費が高騰している昨今、サイゼリヤでは離職者が増えたこともあり新たにアルバイトの採用を増やしたそうです。
そこで採用コストが膨らんだ上、作業効率が落ちて残業代もかさんでしまったのです。まだ作業に不慣れな新人さんが増えれば、どうしてもある程度の期間は作業効率が落ちてしまいますからね。
サイゼリヤの発表によれば、2018年8月期/上期の営業利益は、人件費の増加によって5.7億円も押し下げられてしまったそうです。
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利益を稼ぐ効率性が落ちてしまった
ここまでご紹介した原因以外にも、ガス単価の上昇や備品の増加といった経費押し上げ要因がありました。
売上高を引き上げる効果を持たない経費の膨張が、結果として営業利益率を引き下げてしまったのです。
つまり、前期と同じだけの売上高を稼いでも、そこから得られる営業利益は減ってしまうんですね。
営業利益率とは…
営業利益率(%)= 営業利益 ÷ 売上高 × 100
実際にサイゼリヤの2018年8月期/上期の営業利益率を見てみると…
2017年8月期/上期 … 6.6%
↓
2018年8月期/上期 … 5.0%
このように、営業利益を稼ぐ効率性が落ちてしまっています。
サイゼリヤの2018年8月期/上期の業績は、売上高748億円、営業利益37億円でした。しかし、もし前年と同じ営業利益率を保っていれば、売上高の金額を変えずとも実際よりも12億円も多い営業利益を稼ぐことができたのです。
通期の利益はどうなりそう?
このような上期の実績を受けて、サイゼリヤは2018年8月期通期での予想値を下方修正しました。
ですが、営業利益率は下期にかけて改善していく見込みのようです。
なぜ営業利益率は改善すると見込んでいるのか、このサイゼリヤの新たな予想値の内容については次の記事(↓)に続きます😊
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