ところで、神戸製鋼所とはどんな会社なのでしょうか?

今、渦中の会社といえば、神戸製鋼所ですね。

問題となっているのは、こちらの会社が作っている製品。求められている基準に届いておらず、さらにそのことを隠してお客様に販売したことが明るみに出ました。

問題の発端や原因は各所で取り上げられているのでさておき、ここでは「そもそも神戸製鋼所とはどんな会社なのか?」について見てみようと思います。

 

まずはざっくり、神戸製鋼所とは

神戸製鋼所、通称KOBELCOの名前は、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

一方で、ビジネスの内容はあまり…という方も多いかもしれません。

それもそのはず、ユニクロやイオンに行く感覚で、「今日KOBELCOで買い物してくるね~」という会話を通常することはありませんよね^^神戸製鋼所のお客様は個人ではなく会社ですから。

神戸製鋼所のはじまりは、今から100年以上もさかのぼった1905年になります。

手がけている製品は、その名の通り鉄鋼を使った製品のほか、ショベルなどの建設機械、産業機械、そして今回問題となったアルミ製品など、多岐にわたります。じつは、私たちが手にしているアルミ缶に使われているアルミ板は、国内全体で見るとその3割以上が神戸製鋼所で作られたものです。

さらに、ものづくり以外にも、電力の発電・供給や住宅の分譲・リフォームといった事業も展開しているのです。

売上高は、2016年度は1兆7000億円ほど。異業種ではファーストリテイリング(ユニクロの会社)と肩を並べる大きな数字です。販売の6割以上は国内、その他は中国や東南アジアなどに向けられています。

最近元気がなかった経営状況

実はここ2年、神戸製鋼所の経営状況はかんばしくありませんでした。鋼材の輸出量が減少したことに重ねて、材料価格の下落を受けて販売単価が下がったこと、中国や東南アジア向けの建設機械販売数が減少したことなどが理由です。

2015~2016年度は、売上高も利益も右肩下がりの状況。その結果、2期連続で赤字となってしまいました。

そんな中、神戸製鋼所は2017年度の売上高を増やし、さらには黒字転換しようと計画しています。実際、2017年4月~6月は見事業績改善に成功していますね。

神戸製鋼所の期待を受けたアルミ事業

神戸製鋼所がこれから成長していくにあたり重要テーマと位置付けているのが、まさに今回問題となったアルミ事業です。売上高では大きい鉄鋼事業を抑えて、すでにアルミ・銅事業は電力事業と並んで神戸製鋼所の利益を支える柱となっています。

そして、自動車などの輸送機の軽量化を叶える素材として、今後のさらなる伸びが期待されているのです。

国内外で増える需要を取り込もうと、アルミ製品の製造設備を増強に向け、すでに多額の投資が行われることも決定されていました。アメリカではまさに製造ラインを作っているところなのです。

今回、データ改ざん問題が発覚したのはまさにこのアルミ事業。(その後、アルミ以外の事業でもデータ改ざんの疑いが取り沙汰されていますね)影響を受けた取引先は、トヨタや三菱重工業、JR東海など数多くの企業にわたっています。これらの企業が作る自動車、ロケット、新幹線といった乗り物に、データ改ざんされたアルミ製品が使われていたのです。

これからの神戸製鋼所はどうなってしまうのでしょうか?

お客様からの神戸製鋼所への信頼は一気に傾いてしまうかもしれません。

もし損害賠償を請求されたら…?資産を売ってまでアルミ事業の投資資金を捻出しようとしていたのに、今後の成長計画がとん挫してしまうかもしれません。

今後の神戸製鋼所を引っ張っていくはずだった力強い存在が、今まさに揺らいでいるのです。

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