税金は決算書のどこに書いてある?
会計の視点から見ると、
税金とは企業にとって費用です!
ということは、
税金の金額は、損益計算書(企業の利益を計算する決算書)のどこかに書いてあるはずです😊
損益計算書を見てみると…
企業が納付する税金は基本的にこの2箇所(↓ ①と②)に表示されます✨
売上高 | |
売上原価 | |
売上総利益 | |
販売費及び一般管理費 | …… ① |
営業利益 | |
: | |
: | |
税金等調整前当期純利益 | |
法人税、住民税及び事業税 | …… ② |
法人税等調整額 | |
法人税等合計 | |
当期純利益 |
まず、企業が納付する税金の多くを占めるであろう、②「法人税、住民税、事業税」を見てみましょう✨
こちらには、企業が稼いだ利益に対してかかる税金が記載されます💰
(※事業税は利益に対して課された部分のみ(所得割))
表示場所も、1年間で稼いだ利益(=税引前当期純利益)の下になっていますね。
今度は、①「販管費及び一般管理費」にどんな税金が含まれるているかを見てみましょう🎵
「販管費及び一般管理費」はいくつもの項目から構成されています。
(内訳は、損益計算書や注記事項のページに書いてあります)
そのうちの「租税公課」という項目に、税金関連の費用が入ってきます😊
こちらには様々な種類の税金が含まれるんですね。
たとえば…
● 固定資産税
● 不動産取得税
● 事業税(付加価値割・資本割)
● 印紙税
● 消費税(税込方式を採用している場合)
などがあります😊
法人税等調整額はどんな費用?
先ほどの図を見てみると、②「法人税、住民税及び事業税」のすぐ下に「法人税等調整額」という項目があります!
「法人税等調整額」は、名前の通り、税金に関係した費用です。
ですが、その年に納める税金ではないという点で①や②と異なります。
「法人税等調整額」の意味はやや複雑です😨
サラリと言ってしまえば、「法人税、住民税及び事業税」の金額を調整する役割を担っている項目ですね。
法人税等調整額の詳しい内容は、こちら(↓)で解説しています😊
ゾゾタウンの決算書で税金を見てみよう
大型ファッション通販サイト「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥデイ(★)を例に、実際の決算書から税金を探してみましょう😊✨
(★ 2018年10月から、会社名を「株式会社ZOZO(ゾゾ)」に変更するようですね)
スタートトゥデイ 損益計算書(2018年3月期) 単位:億円
売上高 | 984 | |
売上原価 | 79 | |
売上総利益 | 904 | |
: | : | |
販売費及び一般管理費 | 577 | …… ① |
営業利益 | 326 | |
: | : | |
: | : | |
税金等調整前当期純利益 | 284 | |
法人税、住民税及び事業税 | 103 | …… ② |
法人税等調整額 | △21 | |
法人税等合計 | 82 | |
当期純利益 | 201 |
まず、その年の利益にかかる税金「法人税、住民税及び事業税」を見てみましょう!
2018年3月期の「法人税、住民税及び事業税」は、103億円です💰
実は、この金額はどんどん大きくなっているんですね。
それもそのはず、世の中にファッション通販が浸透するとともに、スタートトゥデイの売上高も利益も右肩上がりに成長しているからです。
実際に、ここ3年間のスタートトゥデイの「税引前利益」(税金を差し引く前段階の利益)と「法人税、住民税及び事業税」を見てみると…
(単位:億円)
2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | |
---|---|---|---|
税引前利益 | 180 | 246 | 284 |
法人税、住民税及び事業税 | 61 | 85 | 103 |
この3年間で、両者とも1.5倍以上に成長しています✨
次に、固定資産税や印紙税が含まれている「販売費及び一般管理費」を見てみましょう✨
損益計算書に販売費及び一般管理費の内訳が書いてありますが…
どうやら租税公課は「その他」の項目にまとめられてしまっているようですね。
このことから、スタートトゥデイにとってそもそも租税公課の金額がかなり小さいということが分かります。
まとめ
1.企業が納付する税金は、基本的に損益計算書の2箇所(「販管費及び一般管理費」の1項目である「租税公課」と「法人税、住民税及び事業税」)に記載される。
2.「法人税等調整額」は、その年に納付する税金ではなく、「法人税、住民税及び事業税」を調整する役割を担っている。