なぜ法人税等調整額は必要?マイナス表示の意味は?桃太郎のストーリーでサクッと理解!

 

法人税等調整額を桃太郎のストーリーにのせて、簡単に理解していきましょう!

法人税等調整額にはどんな役割があるのか、なぜマイナスになったりプラスになったりするのかを解き明かしていきます^^

 

法人税等調整額の前提をサラッと予習

桃太郎のお話を始める前に、法人税等調整額を理解するための前提をサラッと予習しておきましょう。

ここでちゃんと分からなくても、雰囲気だけつかめればOKです。

 

法人税等調整額を理解するために大切な前提。

それはただ1つ、

決算書の利益と税金計算に使う利益は異なる

ということです!

 

税金は、利益をもとに計算されます。

税金 = 利益 × 税率

この他細かい調整もありますが、基本的にはこの計算で税金を求めます。

 

この税金の計算に使う利益は、決算書の利益(税引前利益)を調整したものです。

具体的には、決算書の利益に対して一部の収益を差し引いたり、一部の費用を足し戻したりした金額です。

 

なぜこのような調整を行う必要があるのか?

これが法人税等調整額とどう関係あるのか?

 

次のパートから、桃太郎と一緒に学んでいきましょう^^

 

 

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きびだんご屋、1年間の決算書を見てみよう

桃太郎の実家(おじいさん、おばあさん)はきびだんごの製造・販売を行っています。

百人力のパワーを授けてくれるきびだんごは、地元でも評判の味なのです。鬼退治に勤しむ時以外、桃太郎はこのきびだんごの売り手として活動しています。

(という前提で、話を進めます。)

 

桃太郎のきびだんご屋もようやく1年間を終え、役所に税金を納めなくてはなりません。

そこで、1年間の利益と税金を計算することにしました。

 

1年間のきびだんご屋の損益計算書を簡単に作ると、こうなります。

   売上高100万円…きびだんごの売上
 - 費用(売上原価)30万円…きびだんごの製造費用
 - 費用(販管費)20万円…桃太郎への給与
 - 費用(販管費)20万円…桃太郎への賞与
 = 税引前利益30万円…売上高-費用

 

売上高100万円から費用の合計70万円(=30万円+20万円+20万円)を差し引くと、税引前利益(税金を差し引く前の利益)30万円が計算されます。

あとは、税金を計算できれば、最終的な損益まで書き込むことができます^^

 

 

きびだんご屋の税金はいくら?

決算書の利益をそのまま計算に使ってはダメ!

1年間の税金は、1年間の利益に税率をかけることで計算できます

ところが!

先ほど作った決算書の利益(税引前利益)にそのまま税率をかければいいわけではありません!

 

なぜなら、決算書の利益と税金を計算する時に使う利益は少し異なるのです。

その理由として、たとえば…

● 決算書では今年の費用になっているのに、税金計算の考え方では来年以降の費用とみなされるもの

● 決算書では今年の売上高に含まれるのに、税金計算の考え方では来年以降の売上高にカウントされるもの

などの存在があります。

このように、一部の収益や費用において認識する時期にズレがあるために、収益から費用を差し引いた結果である利益も異なってしまうのです。

 

きびだんご屋のケースでは、何の項目がズレているのか

実は、桃太郎への賞与20万円は支給額が決まっているものの、実際に支給されるのは決算日から3か月ほど後の予定です。

つまり、来年度に支給される賞与なのです。

 

 ● 税金計算の考え方

→賞与は支給される年に費用になる

 ● 会計のルール(決算書を作る上でのルール)の考え方

→賞与の支給額が精度高く見積もられ、対応する労働サービスが提供され、かつ、支給される可能性が高くなった時に費用になる

つまり、桃太郎への賞与は、税金計算の考え方では来年度の費用に、会計のルールでは今年度の費用になるのです。

そのため、税金計算の考え方から見ると、決算書には桃太郎への賞与分だけ費用が多く織り込まれているため利益の金額が過少になってしまっているんですね。

 

きびだんご屋の税金はいくら?

きびだんご屋の税金を計算するためには、決算書の利益を税金計算用に直さなくてはなりません。

つまり、桃太郎への賞与を費用から除いてしまうのです。

 

このケースでは、決算書の税引前利益30万円に、桃太郎への賞与20万円を足し戻すことで、この分の費用が無かったことにします。

  税引前利益30万円…決算書の利益
 + 費用20万円…桃太郎への賞与を足し戻す
 = 税金計算用の利益50万円

 

ここで算出された税金計算用の利益50万円に対して、税率(ここでは30%とします)をかけることで、ようやく税金の金額が求められます!

 税金計算用の利益50万円 × 税率30% = 税金15万円

(※ここでは税額控除などの考えは省き、シンプルに考えます)

 

 

きびだんご屋、ついに法人税等調整額を使う

税金を計算できたところで、きびだんご屋の決算書も当期純利益まで記載することができます。

先ほど作った税引前利益までの決算書と、税金15万円を組み合わせてみましょう。

   売上高100万円…きびだんごの売上
 - 費用(売上原価)30万円…きびだんごの製造費用
 - 費用(販管費)20万円…桃太郎への給与
 - 費用(販管費)20万円…桃太郎への賞与
 = 税引前利益30万円…売上高-費用
 - 税金15万円
 =当期純利益15万円…税引前利益-税金

 

ようやくできた決算書の問題点とは?

決算書も無事完成し、浮かれるおじいさんとおばあさん。

そこへ、きびだんご買いに、隣の家の柿次郎おじさんがやってきました。そして、決算書をのぞいて一言。

 

柿次郎おじさん「税引前利益30万円に税率30%をかけると9万円。それなのに税金15万円っていうのは、変でねぇのか?」

おじいさん・おばあさん「……!? いや、でも、これはしょうがないことで…ごにょごにょ…」

柿次郎おじさん「こういうのは、もっと見る人に親切に書いてもらわなきゃなぁ。」

おじいさん・おばあさん「うっ…むむむ…」

 

ここで法人税等調整額の出番!

税金15万円から6万円を差し引けば、決算書の税引前利益30万円に税率30%をかけた9万円に一致します。

決算書を見る人の違和感もなくなりますね。

 

ここで役に立つのが法人税等調整額です。

法人税等調整額は、決算書上で税金から6万円を差し引く役割を担うのです。

   売上高100万円…きびだんごの売上
 - 費用(売上原価)30万円…きびだんごの製造費用
 - 費用(販管費)20万円…桃太郎への給与
 - 費用(販管費)20万円…桃太郎への賞与
 = 税引前利益30万円…売上高-費用
    ①税金15万円
    ②法人税等調整額△6万円
  法人税等合計9万円…①+②←税引前利益×30%と一致!
 =当期純利益21万円…税引前利益-法人税等合計

 

このように、税金15万円から6万円を差し引くことで、決算書上では税金が9万円であるかのように見せるのです。

税金(正確には、法人税、住民税及び事業税と呼びます)と法人税等調整額を足し合わせた金額を、法人税等合計と呼びます。

 

決算書上で、法人税等(法人税、住民税及び事業税)の金額を調整利益と税額の整合性を図ること、これこそが法人税等調整額の役目なのです^^

(※実際には、法人税等調整額をもってしても、完全に調整しきれないことの方が多いです。そのため、実際の決算書の税引前利益に税率を掛けても、その結果は法人税等合計とはズレます。ただし、そのズレの内訳は、ちゃんと注記情報に記してあります^^)

 

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まとめ

1.決算書の利益と税金計算に使う利益は異なる

2.そのため、決算書の利益(税引前利益)に税率をかけても、決算書に記載してある税金の金額(法人税、住民税及び事業税)と一致しない。

3.そこで、決算書上で税金の金額を調整し、決算書の利益と税額の整合性を測る役割を担うのが法人税等調整額である。

こちら(↓)の記事には、法人税等調整額のことがもう少し詳しく書いてあります^^

【初心者必見】法人税等調整額とはなに?かみ砕いてわかりやすく解説します!

2018.05.21

 

このストーリーの続編として、繰延税金資産の解説をしています(↓)

繰延税金資産とは何?なぜ必要?桃太郎のストーリーでサクッと理解!

2018.05.25

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